旧手宮線跡地1,160m購入へ!小樽市が今年度中に取得!

 北海道鉄道発祥の地として知られる小樽の旧手宮線跡地のうち、整備されず塩漬けのまま長年放置されていた、駅前中央通りから旧交通記念館に至る1,160mの区間を、小樽市が年度内にもJR北海道から取得することが明らかになった。
 今でも鉄路が残る旧手宮線(小樽手宮ー札幌間)は、1880(明治13)年に、北海道で最初の国内でも3番目の鉄道として開通。道内と本州を結ぶ石炭輸送の大動脈として活躍したが、石油エネルギーへの転換で、1985(昭和60)年には営業を停止した。 市内の旧手宮線は、旧手宮駅のあった旧交通記念館前から南小樽駅までの区間。このうち市街中心部の駅前中央通りから寿司屋通りまでの510m、面積6,290平米は、市がJR北海道から買収。旧手宮線散策路として整備され、雪あかりの路などで利用されている。
 しかし、駅前中央通りから旧交通記念館に至る1,160m、面積16,200平米は、市の財政難もあり、塩漬けのまま放置されていた。市は、このほど議会での論議などを踏まえ、今年度中の用地取得に踏み切った。小樽市は旧交通記念館の敷地の一部にJR用地を無償で長年借り受けており、JR北海道としては塩漬けにされている旧手宮線跡地の小樽市による買い上げを希望していた。しかし、財政危機の真っ只中の小樽市は、この跡地購入を先延ばしにしてきた。JRとは今後も交通記念館内の用地を無償で借り受けることを条件に手宮線跡地1,160mの購入に踏み切った。ただし、寿司屋通りから花園橋に至る区間は、土地利用の権利関係が錯綜していることもあり、この区間は取得しないことにしている。
 9月6日(水)から始まる第3回定例会に、この用地取得のための土地鑑定評価経費81万円が補正予算として計上された。土地鑑定結果を待って、土地開発公社が先行取得する形で年度内に購入することになった。最近の経済状況での地価の下落があり、市では用地取得費を約2億円位と見込んでいる。
 現在、整備されている寿司屋通りから駅前中央通りまでの区間509mは、冬季には冬のイベント雪あかりの路のメイン会場となっており、今年度中に新たに取得する1,160m区間と合わせると、1,669mの区間がつながることになり、散策路やイベント会場としての新しい市内の導線として活用されることになる。
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