病院調査特別委が夜間議会!新病院建設を承認!


 新病院の建設をめぐる反対・賛成の陳情を審議する、市立病院調査特別委員会(前田清貴委員長)が9月21日(木)に開かれたが、市の資料配布・説明が、野党を外したため紛糾し空転を重ね、異例の夜間委員会に突入した。
 同委員会は、21日(木)13:00から開会の予定だったが、開会前に市が「新病院建設に向けての課題整理」と題した文書を、与党だけに配布・説明したことが判明した。このため、外された野党の共産党が開会に応じず、空転に空転を重ね、ついに17:00からの開会となる異例の夜間委員会となった。
 開会前から、この問題をめぐり理事会が開かれ、その後も断続的に理事会を開いて、共産党との調整に当たったが、共産党の強行姿勢もあり、午後は委員会が開かれなかった。開会は結局17:00からとなり、20:40頃までの夜間議会となった。
 野党の共産党は、「審議前に与党に対する議会工作を行ったもので、重大な問題ではないかと考え、市長に共産党にも説明すべきで、野党外しの議会工作を慎み、この事態を招いた市長の謝罪を求めた。委員会の開会が遅れたのは行政の責任であり、3点への回答はゼロ回答であった」とした。市側の「ゼロ回答」で委員会開会に応じない場合は、職権での開会をすることにしたため、共産党も17:00からの開会に応じた。
 開会の冒頭、古沢勝則委員(共産党)は、「共産党1会派にだけ説明しないとうのは、議会に対する挑戦で、議会は与党だけがいれば良いという態度だ」と抗議した。
 市が、与党(自民・公明・平成・民主市民)だけに配布した課題整理の資料は、新病院の規模・機能等、建設場所、財政負担などについて、これまでの経過と今後の取り組みについて整理したもので、市民フォーラムで出た意見の内容などにもリンクしたものとなっている。新病院建設についての市側の考え方がまとめられており、市民の参考にもなるため全文を掲載し提供する。
 17:00からの同委員会で、共産党・古沢勝則委員は、「市民フォーラムの実行委員会が行った、市民への説明が十分であったかの議員のアンケートでは、、議員の80%が説明が十分でないと回答している。病院の規模、建設地の適地についての見解を」に対し、「十分説明はしている。受け止め方の違い。懇話会の意見を尊重して500床にし、さらにコンパクトに493床にした。十分懇話会の意見を尊重した。場所は量徳小が一番の適地だったが」と答えた。
 自民党・見楚谷登志委員は、「巨額の建設工事費は圧縮出来るのではないか。全国的に医療環境が変わっている中で、医師の人数はどうなのか」と質し、「建設工事費は、1平米37万円で考えていたが、仮に30万円で試算すれば、建設工事費130億円から105億円に圧縮出来ると考えている。医師の人数では、493床と患者数などを計算して、20科目で79人を確保するとしていたが、最低53人が必要と考えている」と答えた。
 平成会・上野正之委員は、地方公営企業法による一部適用と全部適用について質問。「全部適用で経営自体が変わるのではないか、民間からも管理者が登用出来る。色々な面で新しい病院が出来るのではないかと思うので、市長の決意を」に対し、「新病院が出来るにあたって、まずは経営の安定が一番。全部適用にも良いところがありますので、具体的に検討していきたい」と前向きの回答をした。
 民主市民連合・斉藤博行委員は、「特別委員会だけでなく、その都度説明してもらいたい」に対し、「どの時点でというのは難しいが、出来るだけ状況を報告していきたい」と答えた。
 この後、継続審査中だった「新市立病院新築計画建設候補地について」の陳情15件と、「新小樽病院の現在地もしくは中心部への建設方について」の陳情1件の計16件を賛成少数で不採択とし、付託された「市立小樽病院の統合新築の早期実現方について」と「新市立小樽病院建設の早期着工方について」の陳情2件を賛成多数と全会一致で採択した。
 これにより小樽市議会では、新市立病院を築港地区で早期着工することが承認されることになった。最終的には、9月25日(月)開会の本会議で決定される。

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