赤字拡大の“収支不均衡予算”!2007年度小樽市会計予算!


 2月23日(金)開会予定の小樽市議会第1回定例会に提案される、2007(平成19)年度小樽市予算案の概要が明らかになっている。
 2007(平成19)年度の特徴は、市長改選期を控え、義務的経費や継続的な事務事業費を中心とする骨格予算となっている。
 一般会計の予算規模は、約557.1億円(前年比マイナス56.2億円の9.2%減)となっており、特別会計の予算規模は、約545億円(前年比マイナス3.9億円の0.7%減)、企業会計の予算規模は、約 239億円(前年比マイナス44.8億円の15.8%減)で、全会計の予算規模は約1,341億円で、これは、前年比104.9億円マイナスの7.3%減と大幅に縮小し、1991(平成3)年並みの予算となっている。
 今回の予算で特筆されるのは、病院事業会計予算で、長年にわたり隠し続けてきた、44億円の累積赤字の不適切な会計処理を表に出したことで、一般会計からの繰出金が増加した。また、一般会計の累積赤字も、これまでの16億6,000万円から22億3,600万円へと拡大している。
 この22億円の累積赤字があるにも係らず、歳入・歳出の不足分11億円を財源対策と称し、他会計借入や公的資金借換債でしのぐという、超綱渡りの予算編成となっている。
 歳出が歳入を上回っている場合は、当然、歳出を削り、歳入と合わせ、収支均衡とするのが、会計処理の鉄則だが、2007(平成19)年度の会計予算は、歳出を削って歳入に合わせるのではなく、他からの借金とローン借換に頼る、“収支不均衡予算”となっているが、市はこれでも収支均衡予算だと豪語している。
 歳入・歳出のバランスを欠き、累積赤字が拡大すれば、民間では、職員の大幅削減や賃金・ボーナスカットなどで対応する。最近のJAL(日本航空)の職員の大幅削減と給与削減案の事例でも明らかだ。
 しかし、小樽市は、民間よりはるかに優遇されている賃金やボーナスのカットは一部のカットで止め、市長給与も25%削減でお茶を濁している。夕張市の事例では、市長は70%カット、職員は30%カットとなっており、財政破綻し、いつ第二の夕張になるかの瀬戸際の小樽市でも、厳しい対応が求められている。歳出減を図らず、累積赤字を拡大しているにも係らず、市は、“収支均衡予算”にしたというに至っては、市民に二枚舌を使っているとしか考えられない。
 市長改選期を迎えて、不均衡アンバランスな予算案の実態を覆い隠そうとする意図がありありと伺える。山田市長は、約3,200万円の退職金やボーナスを懐にした上で、次期市長選に臨もうとしているのだろうか。
 なお、これまで、市の予算関係資料を、当社では、ホームページ上で詳細にアップしていたが、小樽市役所のホームページでもようやく予算関係資料のアップが始まったので、今回からは、市のページにリンクすることにした。

 各会計当初予算総括表


 一般会計当初予算科目別内訳


 予算(案)のポイント


 主要施策