さよなら、消える池田バンビ工場!解体工事進む!

 小樽発のバンビキャラメルとして全国に知られ、一世を風靡した池田製菓の本社工場(若松2)の解体工事が本格化し、市民にとって見慣れた風景のひとつがまた消え去ることになった。



 池田製菓は、創業1922年(大正11年)の老舗菓子メーカーで、キャンディー・キャラメル・チョコレートなどを製造販売していた。特に、1951(昭和26)年に発売した、ウォルトディズニーのアニメ映画「バンビ」の可愛い小鹿をデザインしたパッケージの「バンビミルクキャラメル」が、同映画の大流行とともに全国に大ヒットし、子供たちからも池田バンビとして知られるようになっていた。
 創業80周年の2002(平成14)年には、復刻販売したバンビミルクキャラメルが、全国的なフィーバーを起こしていた。しかし、同社は、製造菓子の多様化など、新製品の開発や販売で遅れをとり、業績不振が長年続いたことで、2006(平成18)年12月、約9億7,000万円の負債を抱えて経営破たんし、全従業員66人を解雇し廃業した。

 同社の倒産廃業で、菓子製造の「北海道村」(銭函3・庄子敏昭社長)が、”バンビ”の商標権を獲得し、今年7月、池田製菓本社工場からキャラメル製造ラインの一部を移設し、解雇された池田製菓従業員22人を再雇用し、8月から本格製造に乗り出している。
 多額の負債が残る池田製菓では、同社の土地・建物などを売り出し、売却益の5%を労務債に充てることにしていた。今年8月10日に、工場に隣接する協和総合管理株式会社(若松2・山本秀明社長)が、土地4,620平米を購入し、8月24日頃から解体工事をスタートさせ、11月末までには更地にすることにしている。
 国道5号線と勝納川に挟まれた同工場の建物は、老朽化が激しく修理もされずに寂しい姿をさらしていた。解体工事が本格化するとともに、シートで囲まれた同工場は、重機によって次々に崩されている。
 池田製菓本社工場の一部は、国有地330平米を借用しており、協和総合管理では「購入したい」と話している。山本社長によると、「隣の広大な土地なので、有効的な利用方法を模索していきたい」と、利用方法を検討している最中とのことだ。
 小樽発の池田バンビとして全国を席捲した”バンビミルクキャラメル”を製造していた同工場は、小樽市民の誇りでもあり、市民にとっては見慣れた風景のひとつでもあったが、またひとつ懐かしい風景が消え去ることになった。
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