市立病院は”存続の危機”!低迷する患者数・病床利用率


 小樽市(山田勝麿市長)の市立小樽病院(若松1)と市立小樽第二病院(長橋2)の2病院の入院・外来患者数と病床利用率の低迷が止まらない。
 2007(平成19)年度4月から12月までの9ヶ月間の集計で、市立2病院の入院・外来患者数は26,689人(前年比)減少し、病床利用率も44.3%と、依然として市立病院からの患者離れが止まらない現状が、本社の調べで分かった。

病床利用率 2病院・許可病床数868
2007年度     44.3% (4月~12月)
2006年度
    49.6%
2005年度
    60.5%
2004年度     64.9%
2003年度
    67.7%

 小樽市の2病院の病床利用率は、この5ヵ年で、すべて70%以下となっている。ことに、2006(平成18)年度には49.6%と50%を切り、2007(平成19)年度12月までの集計でも44.3%とさらに下回っている。2005(平成17)年度60.5% 、2006(平成18)年度49.6%、2007(平成19)年度(4月~12月)44.3%となっている。
 市立2病院の病床許可数は、2006(平成18)年度7月以前は890床で、以降は868床となっている。病床利用率は、2年続けて50%を切っている状況は、過剰病床となっていることを示している。
 総務省の公立病院改革ガイドラインでは、病床利用率が特に低水準である病院における取組として、「一般病床及び療養病床の病床利用率がおおむね過去3年間連続して70%未満となっている病院については、本改革プランにおいて、病床数の削減、診療所化等の抜本的な見直しを行うことが適当である。その際、病床数が過剰な二次医療圏内に複数の公立病院が所在する場合には、後掲の再編・ネットワーク化により過剰病床の解消を目指すべきである」と指摘されている。
 このため、過去3年連続して、病床利用率が70%を大幅に下回っている小樽市には、過剰病床の解消が迫られることになる。仮に、許可病床数868床の50%(434床)を削減されることになると、1床あたり約50万円が交付されている国の補助金が削減されることになり、約2億円もの収入減となり、さらに収益を圧迫することになる。
 患者数減少と病床利用率の低迷で、病床数の削減、診療所化等を迫られることになり、現病院の存続すら危うい事態に突入している。それでも、この空気すら読めないKYの市長は、相変らず豪華新病院建設の”見果てぬ夢”を追い続けるのだろうか。
 市立病院の惨惨たる現状は、小樽の地域医療を崩壊させかねない事態となっており、ガイドラインで示されている官・民が乱立している小樽のような所では、公立病院の崩壊を待たず、医療関係者による再編・ネットワーク化での早急な取組みが迫られることになろう。
 関連記事1 
 平成19年度 小樽市病院事業 入院収益・外来収益