平成20年度も入湯税徴収を断念


 財政再建に四苦八苦する小樽市は、平成20年度から入湯税の課税免除を廃止しようと市内事業所に協力を求めているが、平成20年度を目前にしても、なお先行きが不透明なことが、3月5日(水)13:00から開かれた小樽市議会第1回定例会の予算特別委員会で分かった。
 市は、2006(平成18)年4月号の広報おたるで、財政再建推進プラン「実施計画」を公表した。この計画の歳入増の取組みの中の主なものとして、入湯税課税免除の見直しを盛り込んだ。平成19年度から21年度までの3ヵ年で1億2,000万円を徴収することにしていた。
 これは、1,000円未満の日帰り入浴施設(公衆浴場・銭湯を除く)に対し、入浴者1人につき100円の負担を施設か利用者に強いるもの。しかし、市内の日帰り入浴施設などからの強い反発で、2006(平成18)年12月に断念した。このため、当初の100円から50円に変更し、2008(平成20)年度から1ヵ年ごとに約2,000万円の歳入増にすることにして、市内事業所と協議を続けてきた。
 5日(水)の予算特別委員会で、高橋克幸議員(公明党)が、「平成20年度から入湯税の課税免除の見直しを行う予定だが、現状は」と質問し、「原油の高騰や入浴客が減ったことを理由に、経営者と話がついていない」(財政部) と、平成20年度まで1ヶ月となってもまだ見通しがたっておらず、結局、徴収断念に追い込まれている。
 これにより、市が一般財源の収入増の中核に位置付けていた税収が見込めないことになり、平成20年度もこの入湯税で赤字補てんは望めないことになった。
 「市の財政状況もあり、強く反発する事業者に話をして理解をしてもらうように協議を続けたい」 (財政部) と、相変らず結論の出ない協議を続行することにしている。
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