観光業者のための歴史講座 市総合博物館 


rekisikouza1.jpg タクシードライバーやホテルスタッフのための博物館特別歴史講座が、4月16日(水)・17日(木)の2日間、旧手宮線や運河周辺で行われている。
 小樽市総合博物館(手宮1・土屋周三館長)は、「観光都市小樽の顔である、タクシードライバーとホテルスタッフに、基礎的な歴史情報を提供し、観光で訪れた人に満足度の高い観光をしていただく一助になれば」 と、観光客が一気に増えるゴールデンウィーク前に歴史講座を開いた。
 一昨年までは、運河周辺で行っていたが、今年は、総合博物館開設に伴って手宮コースを新設。2日間の日程で、博物館を中心とする旧手宮線周辺と運河館・文学館を中心とする運河周辺の魅力・知識を提供する。
rekisikouza2.jpg 初日の16日(水)の手宮コースには、タクシードライバー4人、ホテルスタッフ5人、JR小樽駅スタッフ2人の計11人が参加。学芸員の説明を受けながら、小樽市手宮洞窟保存館(手宮1)や総合博物館、重要文化財の旧日本郵船(株)小樽支店などを巡った。
 手宮洞窟では、1866(慶応2)年に発見された続縄文時代(1,600年前頃)の彫刻を見学。「国内では、手宮洞窟のような彫刻は、フゴッペ洞窟にしか発見されていない。もし興味がある人がいれば、手宮洞窟を見たあとはフゴッペ洞窟もぜひ見てもらいたい」 (石川直章学芸員) と説明を受けた。
rekisikouza3.jpg 総合博物館前では、当時の写真と照らし合わせて、北海道鉄道発祥遺産のひとつであるレンガ積み擁壁や、手宮地区の埋立地、100年前に造られた北防波堤について説明を受けた。「北防波堤の建造では、当時、コンクリートの塊を造るレシピがなく、北防波堤の設計者・廣井勇は、火山灰をどう混ぜれば強度が強くなるか研究した。これらの研究の資料は、小樽築港の港資料館にあるので、ぜひ行ってもらいたい」。館内では、展示されている「しづか号」などの鉄道車両の説明を受け、参加者たちは 「小樽の歴史を改めて認識した」 と、小樽の歴史に関心を示していた。
 JR小樽駅に今春赴任した尾崎辰助役は、「北海道の人間ではないので、右も左も分からないので良い勉強になる。歴史が深い街だと改めて感じさせられた」 と熱心に耳を傾けていた。