多喜二ドキュメント視聴会・トークセッション 商大100年事業


takiji1.jpg 小樽高商(現小樽商大)を卒業したプロレタリア作家・小林多喜二のドキュメンタリー「いのちの記憶-小林多喜二・二十九年の人生-」(HBC)の視聴会が、31日(土)、駅前プラザ「ゆめぽーと」(稲穂3)で開かれた。
 このヒューマンドキュメンタリー(13:05~14:30)は、小林多喜二の人間としての面にスポットをあてた。河東けい(女優)・ 三浦光世(三浦綾子記念文学館館長)が出演し、多喜二が生きた時代の映像や資料を基に、家族や友人、心を寄せた女性たちの生き様を描いた。
 プロレタリア文学者、理論家として、「蟹工船」など様々な作品を世間に出し、当時の特高警察の拷問で、29年で短い人生を終えた多喜二。番組では、著名人や関係者のインタビュー、中国でのシンポジウムなどを紹介し、「多喜二は、今の時代をどう見るか」などを問いかけていた。
 視聴会は、小樽商大の創立100周年記念事業の一つとして行われ、約30名の市民が集まった。参加者たちは、小林多喜二の29年の人生を見つめ、番組終了後のライブ・トーク・セッション『「蟹工船」ブームと青年』(荻野富士夫教授)で、様々な意見を出し合った。
takiji2.jpg 「蟹工船が若い人たちの間でブームになっている中で、多喜二の歴史が過去ではなく、現代に甦っている感じがしている。今日、この番組を見て、改めて感動した」(寺井勝夫・小樽多喜二祭実行委員長)と、感慨深げに話していた。
 蟹工船エッセーコンテストで、ノーマ・フィールド特別奨励賞を受賞した佐藤亜美さん(商大3年)は、「この番組に出演した河東けいさんの演技を見て、小林多喜二の人生に心を痛めた。1時間30分の番組では、小林多喜二の人生を描くには短いかなと思っていたが、29年という短い人生の中で密に活動を続けた多喜二には適切な時間と感じた。これからも勉強して、多喜二の意思を継げたらと思っている」 などと語り合っていた。
 「いのちの記憶-小林多喜二・二十九年の人生-」視聴会及び
   ライブ・トーク・セッション『「蟹工船」ブームと青年』の開催について