平成20年・小樽啄木忌の集い


 「平成20年・小樽啄木忌の集い」(小樽啄木会主催)が、5月10日(土)14:00から、市立小樽文学館(色内1)とJR小樽駅前啄木歌碑で行われた。
 石川啄木は、小樽にたった100日という短い間の滞在だったが、「小樽日報」の記者として活躍し、小樽の街にちなんだ歌をいくつも詠んだ。
 「こころよく 我にはたらく仕事あれ それを仕遂げて 死なむと思ふ」 (小樽公園内)
 「かなしきは 小樽の町よ 歌ふこと なき人人の 声の荒さよ」 (水天宮境内)
 「子を負ひて 雪の吹き入る停車場に われ見送りし妻の眉かな」 (JR小樽駅前)
 小樽公園・水天宮・小樽駅前に、3つの歌碑が建てられている。
takuboku.jpg 14:00から市立文学館1階で、湯本龍二氏の講演「啄木・歌の生涯-歌は悲しき玩具である 啄木-」が行われた。啄木と同世代の人の歌や、同じ年に生まれた歌人を紹介。「明治18年生まれの歌人は、良い才に恵まれた。啄木には、見栄っ張り、乱暴など様々なマイナスイメージがあるが、非常に人気がある。これは、啄木は、正直で、自信家、早熟天才、生真面目、孤独などと、日本人の国民性でもある哀しい部分があるからだろう。初恋の歌を歌ったり、自分がうそつきだと欠点を歌ったり、そんな正直で生真面目なところがプラスになって、人気があるのだろう」 と話した。
 この後、市内にある啄木のゆかりの場所を、小樽啄木会(水口忠会長)とともに参加者が訪ねた。啄木の妹が洗礼を受けた小樽教会があった場所(現しんきん)、啄木が参加した社会主義運動(1908年・明治41年1月4日)が起こった元芝居小屋「寿邸」(現ろうきん)、静屋通りの元小樽日報社屋を回った。最後に、小樽駅前の啄木歌碑で、日本詩吟学院岳風会小樽支部の山田猿岳師範が詩吟を朗読した。
 小樽啄木会HP