“逆さ葵”の謎を解いて!

 6月1日(日)から一般公開されている小樽市能楽堂(市公会堂内・花園5)の衣裳部屋から、逆さまの葵紋(徳川家紋)が入った能装束が見つかった。施設管理者は、なぜ逆さまの葵紋が入っているのか、「“逆さ葵”の謎を解いて」 と、ノンフィクション・フィクションの2部門の物語を募集している。
 市能楽堂は、1926(大正15)年、佐渡出身の実業家岡崎謙氏が自邸の庭に建てた「岡崎家能舞台」。岡崎氏の死後、市に寄贈され、現在地に移築された。2006(平成18)年には、孫にあたる悠吾氏が、所有保管していた能装束や屏風など611品を市に寄贈。以後、能楽堂の一般公開に併せて展示されている。
 市公会堂の指定管理者「イオンディライト・大幸総業グループ」の寺田龍吾館長が、寄贈された品を保管する衣裳部屋から“逆さ葵”の家紋が入った能装束を見つけた。「なんだこれはと気になった」。市内の紋屋に問い合わせると、「珍しいものだ。この職業を続けている中で、見たことがない。逆さまに葵の紋が入っていることは、何か意味があるのでしょう」(千葉忠紋店) と話した。
 葵紋とは、江戸幕府の徳川家の紋として知られている。テレビドラマ・水戸黄門では、「これが目に入らぬか~」と、葵紋が入った印籠が大きく放映されている。
 関係者は、「反徳川的なものの意味なのか」(職人の会・染紋塾のマイスターズショップ・旗イトウ)、「まさか、徳川の葵紋を間違って逆さまにしてしまうことはないだろう。インターネットで調べても、逆さまの葵紋については出てこない」(寺田館長)と頭を悩ませる。
 このため、施設を管理する同社では、“逆さ葵”の真実(ノンフィクション)とストーリー(フィクション)の2部門の物語を募集することになった。「真実を送ってくれた方や素晴らしい物語を作ってくれた人には特典も用意します」 と呼びかけている。物語は郵送で。〒047-0024 小樽市色内2丁目13番5号 小樽市民センター 問合せ:0134-25-9900
 “逆さ葵”の能装束は、地下1階に展示されている。
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 水戸黄門大学 社会学部