帆船「あこがれ」小樽に入港 

akogare.jpg 戊辰戦争で品川沖から蝦夷(北海道)を目指した幕府脱走軍・榎本武揚艦隊「開陽丸」の航跡を辿っていた帆船「あこがれ」(大阪市)が、6日(水)15:30、小樽港に到着した。



 三本帆船の「あこがれ」は、7月13日に東京港を出発し、約一ヶ月かけて、石巻・宮古・函館・江差に寄港しながら、約1,200キロの航海を経て小樽に入港。小樽の太鼓衆「鼓響」の打演が響き渡り、大勢の市民や関係者たちが迎える中、第2号ふ頭にゆっくりと着岸した。
 「あこがれ」の船上では、歓迎セレモニーが行われた。榎本武揚没後100年記念事業小樽実行委員会の三山雄弘実行委員長は、「ちょうど140年前の8月に北海道の江差に来たが、その軌跡を辿ってくるというロマンあるもの。小樽実行委員会では、小樽と榎本武揚さんの関係を、市民に啓もうするためにイベントを実施してきた。大分、広まったと思っている」 と歓迎した。
 来賓の山田勝麿市長は、「ようこそ小樽にいらっしゃいました。最終目的地である小樽に無事たどり着きました。小樽をはじめ、函館、札幌など、榎本のゆかりの地で様々なイベントが行われている」と挨拶。ミスおたるや市内小学生たちは、「あこがれ」のキャプテン、乗船した榎本武揚の子孫・大沢不二子さんらに花束を贈呈した。
 久下剛也キャプテンは、「開陽丸の航跡を追って1,200キロを航海してきました。航海中、榎本武揚は非常に苦労したと聞いたが、順風満帆に恵まれ半分の距離を帆走してきた。太鼓の大きな音、岸壁の人の多さにひるみました。みなさま本当にありがとうございました。たった2日間の短い入港ですが、天然の良港の小樽港で、若者たちと元若者たちとゆっくり休んで小樽を満喫し、各ふるさとに帰りたいと思います。私たちは、8月8日(金)、ちょうどオリンピック開催日の10:00に出港いたします。みなさんテレビを見ずに見送りに来て下さい」 と挨拶した。
 榎本武揚の子孫である大沢さんは、「航海中天候が良く、セールを張ったり、ロープを引っ張ったりと作業をした。榎本武揚も同じことをしていたのかと思うと楽しかった」 と思い出を語った。
 乗船していたクルー・ボランティアスタッフなどの約30名は、榎本武揚が発展の基礎を作った小樽の地に足をつけ、2日間ゆっくり小樽に滞在し、8日(金)10:00に小樽を出港する。
 榎本武揚没後百周年記念事業 帆船「あこがれ」事業