懸命に遡上するサケ 秋の勝納川 


sake.jpg 秋が深まる小樽の街を流れる勝納川に目をやると、遠洋から回帰したサケが、産卵のため、懸命に遡上する姿が見られる。
 勝納川は、勝納町・真栄・奥沢地区をぬって流れ、周辺には、酒造元や工場、住宅などが建ち並ぶ。毎年、この時期には、命がけで遡上するサケの姿を眺めることが出来る。
 例年、10月上旬頃から遡上するサケを眺めることが出来るが、今年は、少雨の影響のためか水量が少なく、中旬に入ってから、ようやくサケが遡上するようになった。
 10月16日(木)は、小樽港から約1.8km上流の奥沢中央橋と栄橋の間で、遡上するサケ2尾の姿が見られた。水の流れが早かったが、目を凝らすと、サケの姿を確認することが出来た。
 サケの一生の最後に、産卵場所を求めて遡上するオス・メスの2尾のサケは、水かびの影響で、体の一部が白く変色しているが、強い水の流れにも負けず、満身創痍状態で懸命に上っている。
 現在、奥沢中央橋と栄橋の間では、小樽土木現業所による改修工事が行われており、2尾のサケは、落ち着かない様子で、産卵場所を求めて周辺を行ったり来たりしていた。
 サケは、北海道・本州北部の川で産卵する。孵化してから5㎝程度の大きさに成長すると川を下る。3~5年間、海で生活すると、また生まれた川を懸命に遡上し、産卵・放精して新しい命を産んで一生を終える。
 毎年、秋の小樽では、このサケの命がけの姿を、市街の川でも、見ることが出来る。