明朝落語に酔いしれる 蕎麦店の粋な落語会


rakugo1.JPG 市内静屋通りにある日本蕎麦店「籔半」(稲穂2)の「第25回明朝そばと落語の会」が、11月18日(火)、昼と夜の2部公演で行われた。
昼と夜とで各60名の落語ファンたちが、店内に所狭しと集まり、重厚な石蔵の扉前の高座で行われた明朝落語を楽しんだ。
演者の竜之家明朝さんは、市内花園の人形店主人。今年の演目は、「小言幸兵衛」と「装浜」の2席。
三味線・太鼓・笛の音につられ、ちょっと顔を赤くした明朝さんが、石蔵の扉から登場。大きな拍手に迎えられ、「ちょっと顔が赤く見えるのはお酒を飲んだからじゃないんです。ビールでございます」と会場の笑いを誘った。
rakugo2.JPG 1席目の「小言幸兵衛」は、明治時代の小言が多い長屋の大家・田中幸兵衛の話。長屋に住みたいと幸兵衛のところにやってきた豆腐職人と仕立て職人が、幸兵衛の小言に付き合わされるもの。玄人顔負けの軽妙な語り口に、満席となった店内からはどっと大きな笑いが起こった。
1席を終えると、変わり蕎麦を楽しむ時間に。今年は、桜海老を粉末にして練りこんだ「えびきり蕎麦」。小川原格社長は、「25回の落語会のうちに、1回えびきり蕎麦を出したが、その時は、蕎麦が短かったというのを覚えている。ほんのりえびの香りがするので、まずは、蕎麦つゆをつけないで食べてもらいたい」と紹介。
rakugo3.JPG 客席には、次々に蕎麦が運び込まれ、客は、ほんのり赤くえびの香りがする変わり蕎麦をスルスルとすすり、「美味しい」、「えびの香りがいいわ」と舌鼓を打っていた。
市内の60~70代の落語ファンたちは、「明朝さんのファンで、毎年楽しみにしている」、「籔半の落語会には第1回から通っている」、「前にもえびきり蕎麦を食べたが、今年の文句なし、美味しい」と、粋な蕎麦と落語の会を満喫していた。
升酒やビールを手に蕎麦と落語を楽しんだ客からは、大きな拍手が送られていた。
「籔半」