小樽で全国水産高生研究発表大会


suisan1.jpg 「第17回全国水産・海洋系高等学校 生徒研究発表大会」(全国水産高等学校長協会主催)が、12月12日(金)、小樽グランドホテル(稲穂1)で開かれた。
 全国の水産・海洋系の高校生が、日頃の学習・研究活動の成果を発表する場として、毎年実施されている。全国各地の高校の持ち回りで行われており、今年は、小樽市での開催となった。
 北海道・東北・関東東海・日本海など全国7地区の代表校と主管の小樽水産の計8校が参加した。「発酵飼料(エコ飼料)の製造~食品廃棄物のリサイクルを目指して~」(小樽水産)や「マナマコ生産の基礎研究(第二報)」(函館水産高)、「山口県藻場再生プロジェクト」(山口県立水産高)など環境・食・漁業についての研究テーマが発表された。
 各高の学生たちは、関係者約50名を前に、規定の13分以内を目処に、日頃取り組んだ研究の成果について報告。スライドやビデオプロジェクト、パソコンなどを使用しながら、高校生らしく大きな声で懸命に説明した。
suisan2.jpg 小樽水産高・水産食品科は、総合学習でサンマやサバを調理加工して缶詰などの水産加工品を作っている。3年の山中春香・齋藤萌さんの2人は、「大量の魚の頭や内臓などの残渣(ざんさ)が大量に出ており、全て廃棄物としてお金をかけて処理される。この捨てられるだけの食品廃棄物に注目し、何かに利用できないか考えた。結果、食品廃棄物を再利用して魚のエサ(エコ飼料)を作る研究を行うことにした」と研究の経緯・実践活動、製造方法などを明らかにした。3種類の大きさに包装した発酵飼料(エコ飼料)の見本の写真を紹介した。
 「まだ、実用化には研究が不十分であるが、食品廃棄物を飼料としてリサイクルできることはわかった。今後は、食品廃棄物の配合割の調整、エコ飼料の魚への効果などの調査を行い、これからも、栄養価が高く、魚がおいしく、健康的に食べることができるエコ飼料作りの研究を継続して進めたい」と抱負を述べた。
 審査講評では、「小樽水産高の発想が面白いと思った。残飯に目をつけたことが良い。今後、飼育結果まで入ったら非常に良くなると思う。畜産に目を向けても楽しみだ」と評価されていた。
 大会の最優秀賞は、函館水産高の「マナマコ生産の基礎研究(第二報)」、優秀賞は、山口県立水産高の「山口県藻場再生プロジェクト」が選ばれた。