小樽グランドホテル 2月15日に閉鎖


grandhotel.JPG 市街中心地にある小樽グランドホテル(稲穂1・竹内恒之社長)が、経営不振による累積赤字が拡大し、営業を続けるのが困難として、小樽雪あかりの路最終日となる2月15日(日)に閉鎖することが、1月15日(木)に明らかになった。
 同ホテルは、小樽サンモール一番街と寿司屋通り沿いに位置し、1990(平成2)年、丸井今井などを含めた市街地再開発ビルとして開業した。地上13階・地下1階で、客室100室(和室4室・洋室96室)・駐車場30台・宴会場・会議室・レストラン・ラウンジバーなどの施設がある。
 閉鎖の1ヶ月前となった1月15日(木)、同ホテルは、全従業員120人(正社員25人)に対して、閉鎖と同時に解雇することを通告した。系列の小樽グランドホテル・クラシックも閉館することにしている。
 同ホテル・土合英臣支配人は、「残念ながら2月15日で閉鎖することになった。初期投資約20億円が経営の負担となり、家賃・光熱費などの滞納額も 約9億円となった。3月にサンモール・ネオが抜けると完全な空洞化となってしまう。グランドのあとに、ホテルが入るというのもうわさの中での話で、今後どうなるか全然見えない。従業員の雇用継続も出来ず、今日も、他のホテルとの会合があったので、一人でも多くの従業員を救ってもらえるようにお願いし、予約の振り替えもお願いしたが、不安ばかりが残ってしまう」と沈痛な面持ちだ。
 市の産業港湾部は、「暫定営業のサンモール・ネオも3月で閉鎖することになり、グランドホテルの営業成績が良くないことや、水面下で、同ビルの再生交渉が進んでいることもあり、閉鎖することを聞いた。詳しい話は聞いていないが、施設の再整備に必要と聞いており止むを得ない」と話している。
 同ホテルは、市街地の中心地にあり、これまで各種会合などのコンベンション施設としての機能を果たしていた。すでに、同ホテルで定例会などを開いているロータリーなどの会合も、新たな場所の模索を始めている。負債総額34億5,600万円(08年3月)を抱えた中心市街地のホテルの閉鎖で、市内中心部での会合や集まりに今後大きな影響が出るものと思われる。
 近くの商店主は、「市のやることは全て無残な結果に終わっている。中心市街地を潰したのも、旧マイカルが潰れたのも、市の二兎を追った商業政策の破綻を示している。当時からこうなることは見えていた」と手厳しい。
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