1月26日(月)は、「第55回文化財防火デー」。北運河に沿って建つ市指定歴史的建造物の旧渋澤倉庫(色内3)で、火災防ぎょ訓練が行われた。
「文化財防火デー」は、1949(昭和24)年1月26日、現存する世界最古の木造建造物・法隆寺(奈良県斑鳩町)の金堂が炎上し、壁画が焼損したことで、翌年の1950(昭和25)年に制定された。
小樽市消防本部(安達栄次郎消防長)では、毎年、市指定歴史的建造物での火災防ぎょ訓練に取り組んでいる。
今年の訓練は、北運河の倉庫群のひとつ旧渋澤倉庫での実施となった。市消防本部24名・消防団4名・自衛消防隊5名の33名が参加し、倉庫内で営業する3店舗のうちのひとつ「クレイジースパイス」の厨房から出火したとの想定で行った。
10:00分頃、「クレイジースパイス」の店員は、「火事だ。うちの店で火事が発生した」と、他店舗従業員に知らせ、避難させた。消火器で厨房の消火にあたるも勢いは収まらず、店外へ。
サイレンを響かせながら消防車両と救急車両が駆けつけ、逃げ遅れた従業員1名の救助作業に入った。防煙マスクを被った隊員たちは、暗い内部の捜索を行い、従業員を発見。負傷した従業員は、救急隊員の両肩に支えられ倉庫の外に避難し、タンカに乗せられて救急車で搬送された。
救出作業を終えると、消防車両5台が次々に運河沿いに到着。隊員たちは、指揮官の指示の下、消防車両からホースを取り出し、放水の準備。同時に、はしごを使って屋根に上り、建物内に充満した煙を外に出すために電動カッターで屋根に穴を開ける訓練も行われた。
「放水はじめ」の合図で、5本のホースから一斉に放水。白い雪が降り続く中、石造倉庫上空に、勢い良く水が放たれ、文化財を守るための火災防ぎょ訓練を終えた。