豪商「遠藤又兵衛邸」 無料開放始まる


endo1.jpg ”小樽の街に残る和洋折衷の大邸宅”として知られる「遠藤又兵衛邸」(富岡1)が、5月17日(日)から23日(土)までの一週間、無料で一般開放されている。
 同邸宅は、小樽港を望む、屋敷町として知られた富岡町1丁目の高台にある。海産物商として財を成した豪商・遠藤又兵衛が、1902(明治2)年に建てた。土地1,281平方メートルに、本州から木材を取り寄せ、釘を使わずに3年かけて作られた建坪延べ766平方メートルの大邸宅。高いレンガ塀で囲まれ、木造瓦葺(かわらぶ)き、下見板(したみいた)張りの、武家屋敷を思わせる豪壮なつくりだった。

 1984(昭和59)年に、老朽化によって取り壊される予定だったが、邸宅の正面部分の171平方メートル(51.8坪)が保存された。同邸宅を所有する立正佼成会小樽教会は、改装や修復工事を重ね、現在も当時の大邸宅の面影を残している。
 1985(昭和60)年7月に小樽市指定歴史的建造物第4号となり、1995(平成7)年には小樽市第8回都市景観賞を受賞。2005(平成17)年5月から、初めて一般公開され、展示会やお茶会などに使用された。
endo2.jpg 建築から100年以上経ち、建物の土台が腐ったため、昨年には、約4,000万円の費用をかけて、土台の木材の取替えと瓦屋根の修復を行った。改修工事は建物を持ち上げる大規模なものとなったが、これも無事終わり、5月17日(日)から例年通り、一週間の無料開放が始まった。
 初日は、無料開放と同時に敷地内で、ユニセフバザーや献血も行った。多くの市民が訪れ、当時の姿を彷彿させるこの邸宅を見学し、貿易港として栄えた小樽の豪商邸の趣きを実感していた。
 一般開放は、23日(土)10:00~15:00まで。問合せ:23-7265 立正佼成会小樽教会
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