ベトナム人芸術家の「デリバリー・アート講座」 潮見台中


shiomichu1.JPG 「プロの芸術家による授業で、美術の楽しさ、新たな視野を広げたい」。
 市立潮見台中学校(潮見台1・岡部利一校長)は、6月22日(月)、2年生の選択美術の授業に、小樽在住のベトナム人アーティスト ダム・ダン・ライさん(36)をゲストティーチャーに招き、「デリバリー・アート講座」を開いた。
 同校は、今年度、校内での美術作品の展示スペース増設や、図書室以外で読書に親しむ環境作りなどを行い、「学校全体で豊かな感性と知性を育む学校づくり」に取り組んでいる。
 このほど、同校の美術担当・上嶋秀俊教諭の働きかけで、ベトナム人アーティスト・ダムさんをゲストに迎え、美術の授業を行うことになった。
 22日(月)は、2年2組の30人を対象に実施した。上嶋教諭が、ダムさんを紹介する自作画像集をテレビ画面に映し、春香町のギャラリーや作品を解説し、早速、版画製作に移った。
 今回取り組む作品は、20cm四方の石膏ボードにアクリル絵の具で描画して、新聞紙に刷る版画。ダムさんは、「エコロジーの観点から、使わなくなった石膏ボードと新聞紙を使って、いろいろな色を楽しんでもらいたい」と、手本を見せながら、独創的なアイディアによる作品製作の楽しさを教えた。
 生徒たちは、日本のテレビタレントやハリウッドスターなど、それぞれ新聞紙に印刷された写真や絵に、赤・青・黄の好みの色を重ねて刷った。カラフルな波や円など思うままに表現し、偶然に出来るアートを楽しんだ。
shiomichu2.JPG 「ピンク色に印刷された新聞紙を使って、黄や赤など適当に刷ったら、ちょっと派手に成りすぎたけど、思ったよりも良い作品に仕上がった。楽しい」(和田大輝くん・13)。
 「考えないでぐちゃぐちゃにやってみたら、作品になったので楽しい」(佐藤飛翔くん・13)。
 「ビニールハウスの写真を使い、自然をイメージ出来るようにしたかった。出来上がる作品が想像とは違っていたが、良い作品になったと思う」(桟敷真由ちゃん・13)と、作品制作に没頭していた。
 岡部校長は、「世界に一枚しかない作品が出来るので、生徒たちも喜んでいるようだ。何か決まった形を作るというものに囚われがちだが、自由にそれぞれの発想で出来るので楽しそうだ。最初は戸惑っていたが、2枚目の作品になると、コツをつかんだように取り組んでいる」と生徒たちの取り組みに感心していた。
 24日(水)には、2年1組の生徒が、同授業を実施する。また、同校では、2学期以降も、道内在住の工芸家などゲストティーチャーを招き、「デリバリー・アート講座」を開くことにしている。