山田勝麿小樽市長は、9月7日(月)、8月30日の衆院選で道4区で当選した民主党の鉢呂吉雄議員を市役所に招き、小樽市が抱える財政や雇用、医療問題についての要望・意見を提出した。
市の「地元の代議士さんに、地元の状況を頭に入れてもらおう」(山田市長)との要請に対し、政権与党となり多忙を極める鉢呂議員が、この日しか時間がとれないと、今回の訪問となった。
市役所側からは、市長をはじめ、山田厚副市長、山崎範夫総務部長、並木昭義病院局長が参加した。経済界からは、小樽商工会議所の鎌田力会頭と山本秀明・西條文雪の2副会頭も席に着いた。衆議院選で、経済界は、自民党の候補を推薦・応援していただけに、政権交代での与党政権にいち早くすり寄る素早さを見せた。
市長は、冒頭、「マニフェストの中に、地域のまちづくりの問題がないものですから、小樽の場合で言いますと、中心市街地の活性化で、小樽駅前の問題は解決しましたが、あとは、旧丸井さんの跡の問題がある。ウイングベイ小樽のベイシティ開発の再生といった問題もあり、これらについてなんとか、特に中心市街地の丸井さんの跡の問題は、小樽にとって非常に大きな課題であります。これまでも、私どもが、色々な場面を通じて要請活動をしたり、企業に支援をお願いしたりしているが、まだ解決に至っておりません。
地方財政の問題ですが、小泉政権の例の三位一体の改革で、平成16年に地方交付税が約14億円削減されました。これにより、小樽市の財政が一気に赤字財政になりました。以来、事務事業を見直し等を進めながらやってきました。最終的には、職員の給与9%カット、さらに職員のボーナスから0.9ヶ月の大幅な削減を職員にお願いして、現在、赤字解消に全力に取り組んでいます。
ぜひ、この状況を理解して頂き、現在の地方交付税の持っている財源の調整機能・保証機能を維持しながら、地方交付税を平成15年の当時の状況まで復元して欲しい」と述べ、用意された「要望・意見」の原稿を読み上げた。こちら
これに対し、鉢呂議員は、「より皆さんの意見をしっかり継続的にきめ細かく、ご意見を頂戴する機会を設けさせて頂きたいと話をしておりました。北海道4区、小樽でも、この場限りではなく、継続的に意見を頂戴する場をつくりたいと思っています。そういう中で、政権交代が選挙で初めて行われたということで、期待が大きい反面、政権に対する不安があるのは承知している。出来るだけ政権の継続に確実な手立てをさせて頂きたいと思っている。
マニフェストについて確実に実現実行しなければと思っているが、世論調査によれば、必ずしも、高速道路の無料化、あるいは暫定税率撤廃、子供支援策について、諸手を上げてという風にはなっていない。もう少し良いものがあれば、マニフェストにこだわって最初に言われたとおり実行するものではないと思っている。これは、兼ね合いが難しく、一方では完全実行という声も出てくると思うが、皆さんの声を聞いて、ある点では修正もやりながら、実現実行していく。
皆さんのご指摘を十分お聞きしながら、地方経済の活性化、地方財政、行政サービスにおいて、様々な施策を行っていく。また、先ほどご指摘がありましたが、無駄の問題は、必ずしも公共事業というものでなくて、行政の様々な段階で無駄があると思うので、これをちゃんとして欲しいというのが国民の皆さんの概ねの声であって、必要のないと言ったらおかしいが、使命を終えた公益法人等がありましたら、無駄をなくすという観点でやりたい。政権交代の一番の意義だと思っている。国民の皆さんは、貴重な税金を収めているのですから、この使い道についてきちんとしていきたい。
私どもも、地元に密着した、地方に密着をした事業については、地方にお金を回す観点でやってきいきたいと思っている。今以上に不利だとか、低下するという風にはならないようにしていきたいと思っている。地域医療計画についても、問題は大きな課題として地方医療をどうするか、マニフェストに掲げたので、もう一度、本当の意味で地方に必要な医療をどうするか、現状より良くする形で検討していく形になるのではないか」と答えた。
鉢呂議員は、これまでは野党議員だったため、市や経済界も軽んじていた面が多々あったが、政権交代で与党議員になったことから、市や経済界はこれまでの姿勢を転換して、多くの要望をお願いする立場に至った。自民党に圧勝し民主党政権の誕生で、小樽市も早くも与党議員にすり寄ることになった。