中村善策にちなむ写生会 稲穂小6年生


zensaku-inahosyo.jpg 小樽出身の風景画家・中村善策にちなんだ稲穂小6年生56人の写生会が、9月16日(水)、小樽運河周辺で行われた。
 市立小樽美術館は、「校区にある地域の文化財、施設を有効に活用しよう」と、同校と図画工作連携授業に取り組んだ。
 16日(水)、稲穂小6年生56人は、同館1階研修室で、星田七恵学芸員によるレクチャー「中村善策の構図と色彩」を受けた。
 星田学芸員は、中村善策の作品をスクリーンに映しながら、「いかに美しい形を画面に描くか、これには1:1.618の黄金比と呼ばれるものがある。名刺のサイズが黄金比で出来ている。絵画は、線の組み合わせから面をつくり、面を組み合わせて立体を作る。これを理論づけた人がセザンヌという有名な人で、善策は、セザンヌを勉強したことでも知られている」と紹介した。
 摩周湖の作品では、「手前、真ん中、奥の構図があり、手前にある白樺がないとバランスの悪い作品になる。また、現場の写真と比べると、木の位置が違うが、美しい構図にするためにずらして描いている」。
 秋景では、「山ひだの斜線を利用して画面に動きを出している」。落葉松の道では、「円形と垂直線でリズムを出している」などと解説した。
 中村善策の構図を学んだ子供たちは、小樽運河に出向き、倉庫群と運河の水面、ガス燈などの配置を見て、美しい構図作りに挑戦。
 「説明を聞いて出来るかなと思って挑戦しているが、難しい。ガス燈をポイントにしたいとは思っているが、どこにどう描いたらいいのかが分からない」(三ツ江ほのか・千秋妃美・道場風音・山田麻央ちゃん)と頭を悩ませていた。
 子供たちの作品は、10月24日(土)から11月23日(月)まで、同館1階中村善策記念ホールに展示される。