2005(平成17)年度から2008(平成20)年度までの4年間で、小樽市に移住したのは、28世帯65人だったことが分かった。
市は、人口減に歯止めをかけ、移住促進を強化するため、企画政策室内に「ワンストップ窓口」を、2005(平成17)年度から開設している。2008(平成20)年度までの累計で、173件の相談があり、このうち4年間で28世帯65人が移住した。
4年間の内訳は、2005(平成17)年度、相談59件、移住5世帯11人。2006(平成18)年度、相談47件、移住8世帯19人。2007(平成19)年度、相談25件、移住7世帯20人。2008(平成20)年度、相談42件、移住8世帯15人となっている。
2008(平成20)年には、「移住・交流を希望する方々の受け入れに意欲のある団体等と協働し、調査、研究及び実験事業を行う」ことを目指して、民間事業者などによる「おたる移住・交流推進事業研究会」(中松義治会長)が設立された。
市内事業者の様々な滞在メニューを集め、パンフレットの発行、ホームページによる情報発信などで、移住推進に取り組んでいる。10月9日(金)に、パンフレット「ゆっくり・快適 小樽暮らし」を刷新した。
388,500円の作成費をかけて4,000部発行。前回のA4判・4ページから、A4判・8ページに拡充。体験メニューや小樽ちょっと暮らしの紹介ページのほか、起業支援事業や周辺町村の案内、小樽の気温や人口分布図などを新たに盛り込んだ。東京や大阪で開催される「移住フェア」で配布することにしている。
この研究会の取り組みによって、昨年から今年にかけて、東京の50代の夫婦と30代独身男性の2組が移住した。2008(平成20)年度に、東京で開かれた「移住フェア」でPR活動を行った結果としている。
一方で、市の人口は、2005(平成17)年12月の143,031人から、2008(平成20)年12月には136,780人と、4年間で6,251人も減少した。この4年間で28世帯65人止まりで、減少した人口の約1%と低い数字となっている。
市内の観光従事者は、「移住に力を入れて取り組んでいるというが、それ以上に人口が減っている。移住に取り組んで、4年間で65人という数字は失敗なのではないか」と話している。
研究会は、「年間に100人規模の移住者を小樽にという声もあるが、これは中々難しい。25世帯65人という数字は、道内でも4番目に多いもの。一気に移住というのは難しいので、夏だけとか冬だけとか、期間を絞って長期滞在して小樽に住むという魅力を感じられるメニューも用意している」という。
全国1,000市町村の魅力度ランキングで、6位にランクしている小樽市。移住者の大半からは、1度、小樽を訪問し、「町並みが良い」、「懐かしい感じ」、「癒し」などと評価は高い。
小樽は、自然豊かで農水産物も美味しい魅力ある都市で、「海も山もある小樽に住みたい」という人も多い。しかし、毎年の人口減に歯止めがかからないのは、市の行政能力ではこの街の魅力を十分に活かしきれていないことを表している。
◎おたる移住・交流推進事業研究会HP