半年で収益・患者数とも急降下 悪化する病院事業会計


 小樽市病院事業会計の2009(平成21)年度4月から9月までの半年間の診療収入がまとまったが、前年度同期に比べて収益は4億5,583万円も少なく、患者数は25,978人も減少し、収益・患者数とも急降下し、収支は悪化の一途を辿っていることが明らかになった。
 小樽市病院局がまとめた市立2病院の「平成21年度診療収入」(対20年度診療収入)の4月から9月までの半年間の統計では、入院・外来の収益・患者数ともに、前年度と比べマイナス数字のオンパレードとなっている。
 小樽病院(若松1)の収益は、この半年間で、入院11億6,574万8,000円(前年差ー3億3,430万1,000円 ・22.3%減)、外来7億5,465万7,000円(ー1億1,697万3,000円・13.4%減)となった。患者数は、入院 28,240人(ー9,380人・24.9%減)、外来52,664人(ー1万3,039人・19.8%減)。
 小樽市立脳・循環器・こころの医療センター(第二病院・長橋)の収益は、入院11億3,123万2,000円(ー1,382万5,000円・1.2% 減)、外来5 億4,834万2,000円(+926万5,000円・1.7%増)。患者数は、入院32,699人(ー514人・1.5% 減)、外来30,587人(ー3,045人・9.1%減)となった。
 両病院合計の半年間の入院・外来収益は35億9,997万9,000円で、前年度差4億5,583万4,000円も減少した。患者数も、入院外来合わせ144,190人で、前年度差25,978人も減少した。
 この収益の落ち込みに対し、病院局は、「収入が減っているが、それに伴って医療材料費3分の1支出も減り、残りの3分の2は、残念ながらというか幸いというか、看護師の定数を確保出来ていないので人件費で不用額が出る」としているが、収益を増加させる手立てがない状況だ。
 この半年間の収益患者数の減少は、直ちに一般会計に跳ね返ってくる。減少幅が大きくなればなるだけ、一般会計からの繰出額が増加するだけだ。この数字の悪化が止まらない限り、地方債の申請に必要な公営企業経営健全化計画にも大きな影響を及ぼすことになる。
 収益患者数の悪化は、市の病院会計の当初予算の見込み違いから来ており、机上の予算案が現実の数字で否定されており、病院会計の累積赤字や資金不足比率にも影響を及ぼすことになり、市の病院事業は増々苦境に立たされることになる。
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