北原武さん「前田一歩園賞」受賞 後志地区で初


kitahara.jpg 北海道ボランティアレンジャー協議会小樽支部の北原武代表(76・小樽野草愛好会会長)は、北海道の自然環境の保全に尽力したとして「前田一歩園賞」を受賞した。
 同賞は、阿寒国立公園内の土地3892haを所有し、管理運営する財団法人前田一歩園が、1983(昭和58)年に創設した。北海道の自然環境の保全とその適正な利用に関する分野で活躍した団体、個人の優れた業績を顕彰している。
 受賞した北原さんは、北海道ボランティアレンジャー協議会小樽支部代表、小樽野草愛好会会長として、植物を中心にした自然の調査、自然観察会の定期開催、自然歩道の整備などの取り組みを続けている。
 これらの取り組みが評価され、「前田一歩園賞」に選ばれ、11月17日(火)に札幌で開かれた表彰式に出席した。24日(火)には、市役所を訪れ、山田勝麿市長に受賞報告した。
 同賞の受賞は、後志地区で北原さんが初めて。北原さんは、「よもや選ばれるとは思わなかったので驚いている。まだやることは沢山あるので、これからも頑張りたい」と抱負を語った。
 北原さんの業績(市総合博物館より)
 ・自然観察会の企画、指導(平成10年~) 
   これまでに約100回開催 昨年度は延べ250人が参加
 ・小樽市内に生息する植物の調査を実施
   塩谷丸山地区調査(平成13~15年)  
   赤岩・オタモイ地区調査(平成16~18年)  
   勝納川地区調査(平成19年~)  
   朝里川地区調査(平成19年~)
 ・調査成果の学術誌上での公表   
   小樽市総合博物館紀要18号(平成17年)、20号(平成19年)で発表
 ・調査成果の展示会開催  
   公共スペースでの写真、標本の展示会(平成19年3月、20年3月、21年3月)   
   総合博物館との共催展(平成20年4月)
 ・植物標本の総合博物館への寄贈(平成17年、20年)約1000点
 ・小樽周辺自然歩道などの笹狩り、路面整備(平成16年~)
   小樽山岳連盟との協力事業
 ・市内各地の登山道に案内標識39枚を設置(平成18~19年)  
   小樽山岳連盟との協力事業
 ・札幌市立盤渓小学校 森林に関する学習指導(平成20年~)
 ■小樽野草愛好会の調査活動
 北原武さんが代表を務める「小樽野草愛好会」は、平成13年から現在まで、小樽市内に生息する植物相の調査を続けています。
 これまでに「塩谷丸山地区」「赤岩・オタモイ地区」の調査成果を小樽市総合博物館紀要上で発表し、また市内の公共スペースや博物館で展示を行い、広く調査の結果を公表しています。
 また、採集した標本は小樽市総合博物館に寄贈され、地域の自然史資料として活用されています。
 国定公園の指定地域を含む詳細な調査は、今の時代の小樽の自然を記録する上で重要な研究です。また、小樽の郊外に残る貴重な自然を市民に紹介することで、身近な自然に対する関心、問題意識を広く喚起しています。
 ■自然観察会の企画・指導
 北原武さんは「北海道ボランティアレンジャー協議会」の小樽支部代表を務め、市内や近郊での自然観察会を主催されています。
 平成10年からこれまでに100回以上の自然観察会を開き、昨年はのべ250人以上が参加しました。
 また小樽野草愛好会の活動として、平成20年から札幌市立盤渓小学校で森林についての学習指導も行っています。
 海と山とに挟まれた小樽は、美しくまた独特の自然に恵まれたまちです。しかし、まちのすぐ近くに良い自然があるにもかかわらず、市民がそれに触れる機会は必ずしも多くありません。
 北原さんたちの活動は、私達の身近な自然の素晴らしさを、多くの人に気付かせてくれています。
 ■登山道・自然歩道の整備活動
 小樽野草愛好会は、小樽山岳連盟と連携して小樽市内の登山道や自然歩道の整備を続けておられます。また、老朽化が著しかった案内表示板を新しく作成し、平成18年~19年にかけて39枚を設置し直しました。
 これらの歩道は身近な自然に触れることのできるかけがえのない地域の財産ですが、それらを誰もが楽しめる状態に維持していくことは、たいへんなご苦労があります。北原さんはそうした取り組みの中心となって活動を続けられています。