茨木家番屋を下見 3月から修復工事


ibaragi.jpg 祝津にある「茨木家中出張番屋」の再活用を進める「北後志風土ツーリズム協議会」(鎌田力代表)は、3月からの修復工事を前に、2月21日(日)08:30~12:00、番屋所有者の茨木誠一さん同行の下、内部の下見を行った。
 同番屋は、祝津地区のにしん漁の三大網元の番屋。手宮から祝津に抜ける道道小樽海岸公園線の通称”番屋通り”沿いに、当時の面影を残して建っている。
 木造亜鉛メッキ鋼板葺平屋建(279.33平米)。玄関の屋根を支える板や格子の窓を支える持送り(横材・ブラケット)に一つひとつ彫刻が施されている。玄関正面には、かまどが据えられ、座敷が6室、漁夫が寝泊りする”ネダイ”が設置されている。
 約30年間未使用のままとなり、屋根の先端やトイレの棟が傾き、北と西側の土台が腐食するなど、老朽化が進んでいた。
 商工会議所・小樽市・建設事業協会・観光協会・祝津たなげの会などで作る同協議会は、、国土交通省の「建設業と地域の元気回復助成事業」の補助金2,500万円を活用して修復工事を行うことになった。地域のコミュニティ活動拠点とし、観光インフォメーション、水産物の販売、子供のヤン衆体験学習などを行うことにしている。
 昨年12月には建物の養生を行い、3月からの工事を前に、2月21日(日)に建物内部の下見を行った。にしん漁で使われていた古い網や錨、モッコ、タモアミ、酒の亀など、その当時の様子をよみがえらせる道具を掘り出し、「これから専門家に診てもらって、価値があるか判断し、今後の展示にも使いたい」としている。
 修復後の建物のお披露目は、5月22日・23日の祝津地区の”にしん祭り”を予定している。「これから建物の構造を確認して、3月から本格的な工事を開始する。5月にはある程度見せられると思う」。
 所有者の茨木さんは、「昔使っていたこの建物を使って頂けて嬉しい。これがどのように運営されるかによって、今後、他の建物の活用も考えたい」と話していた。
 関連記事