たった4人の最後の卒業式 「小樽理容美容専門学校」


riyoubiyou1.JPG 3月で閉校する「小樽理容美容専門学校」(住ノ江1・山中照亜校長)の最後の卒業式が、12日(金)11:00~12:00、同校で行われた。
 同校の歴史は、1914(大正3)年に創設された学習会「小樽理髪日曜学会」から始まる。1955(昭和30)年に前身となる「小樽高等理容学校」が設立された。当時は、人口増加中で、街は活気にあふれ、中心街は、道内各地から理容師を目指す若者で溢れていたという。
 1981(昭和56)年に、現在の「小樽理容美容専門学校」と改名し、設立以来3,300名の美容師を送り出してきた。近年では、少子化の影響と、札幌での施設の増加などを受け、生徒数は減少の一途を辿った。最後の卒業生は、たった4人となり、このほど96年の歴史に幕を閉じることになった。
 4人の卒業生は、赤やピンクなど、華やかな着物や袴姿で入場。来賓に飴を配ったり、クラッカーを鳴らして、明るい式を演出した。
riyoubiyou2.JPG 山中校長は、一人ひとりに卒業証書を手渡し、「緊張した面持ちの中にも、最後の卒業生として社会に歩み出す決意を浮かべ、頼もしく感じた。卒業証書は、2 年間・2,200時間の教科・実技、国家試験のための学習の努力の成長の証として渡されたものです。4月から社会に出るが、身につけた力を思う存分発揮し、夢の実現のために頑張って下さい」と期待した。
 昨年卒業し市内美容店で働く同窓生の金田翔太さんは、「美容の世界は華やかに見えるが大変なこともあります。この2年間のことを思い出せば頑張れる。最後の卒業生として誇りを持って活躍して下さい」とエールを送った。
 卒業生代表の柴田麻理奈さんは、涙を浮かべながら同級生3人との思い出を語り、「これから社会人として、一人の美容師として、自分らしさを忘れず頑張っていきたい」と力強く決意を述べた。
 同校の閉校式は、3月15日(月)18:30からニュー三幸で行われる。閉校後の校舎は、理美容業界の研修の場、会議、行事など活用することにしている。このため、現在、財団法人後志理容美容連盟を継続するため道庁に申請をしている。