電化直前の懐かしい生活用具 運河館企画展


museum-s30.jpg 小樽市総合博物館・運河館(色内2)の小さな企画展「電化以前ー昭和30年代以前の生活用具」が、4月3日(土)から始まった。
 家庭の電化が急速に進み始める直前の昭和30年代に使われていた懐かしい生活用具6点、その生活風景を収めた写真3点を展示している。
 「昭和30年代、日本は、高度成長期を迎え、家庭の中にも『三種の神器』といわれた、テレビ(白黒)、電気冷蔵庫、電気洗濯機が入り、大きく生活が変わっていきます。その直前の昭和20年代は伝統的な暮らしから、アメリカの影響を受けた電化生活への過渡期にあたり、短期間にさまざまなユニークな商品が生まれ、消えていきました。現在の生活用具が生まれる直前の様子を紹介します」。
 展示物の中で、テレビのバラエティ番組で取り上げられ、話題を集めている「かもめホーム洗濯機」が目玉となっている。1957(昭和32)年製で、球形の容器に湯と洗剤と衣類を入れ回して洗濯するもの。現在のドラム式洗濯機と同じ原理という。
 放映後、全国の博物館で同洗濯機を展示したことから、同館では、同年代製のかもめマジック洗濯機も紹介している。取っ手を持ち左右に振って洗濯するもので、形がユニークだ。
 石川直章学芸員は、「存在した期間が短く、どこまで役に立ったかは疑問だ」と話す。
 展示する写真の中には、当時の小樽市長安達与五郎氏の自宅を写したものがある。一般家庭の居間の中心に大きなラジオがあるだけで、「当時の小樽市長の家庭でも、電化物はラジオだけ」と解説する。また、小学生たちがこぞってテレビ画面に食いつく様子を映したものも。
 同展は、6月4日(金)まで。4月25日(日)10:30からは、ギャラリートークが行われる。昭和30年代後半まで使用された「携行式蓄音機」の音を披露する。入館料:一般300円、高校生・市内在住70歳以上150円、中学生以下無料。問合せ 33-2523 総合博物館。