榎本武揚の軌跡たどる ゆかりの地マップ完成


enomotomap.jpg 「榎本武揚の志を、子供たちに伝えたい」。青年会議所メンバーの若手が結成した「おたるない倶楽部」(太田剛代表)が、このほど、マップ「榎本武揚・北垣国道志ゆかり之図」を完成させ、市内中学校や教育委員会などに配布した。
 榎本武揚は、蝦夷独立国を目指し、薩長中心の新政府と対峙したが、五稜郭(函館)の戦いで破れた。1873(明治6)年、「小樽が天然の良港であり、北海道の発展に大きく寄与する」と見て、北垣国道と共同で、今の稲穂町と富岡町の土地20万坪を明治政府から購入。土地管理会社「北辰社」を立ち上げ、現在の中心商店街の原形を作った。
 「おたるない倶楽部」を立ち上げた中心メンバーは、2008(平成20)年に市内で行われた「榎本武揚没後100年記念祭」に参加。約100人を引き連れての維新パレードや仮装コンテストなどを企画実行。2009(平成21)年に「小樽武揚祭」を開催し、100年記念祭に行ったイベントを継続した。
 マップ「榎本武揚・北垣国道志ゆかり之図」は、市のふるさとまちづくり協働事業の補助金約30万円で作成した。B5サイズで、表面に、榎本武揚のゆかりの場所8ヶ所を掲載。都通りや梁川通り、旧手宮線など、小樽駅前周辺のポイントをピックアップ。写真とともにその場所の由来も書き記している。また、「志」特集として、榎本が描いていたビジョンや、国・まちづくりへの思いも綴っている。
 裏面には、北海道のゆかりの地を掲載している。函館市の五稜郭や江差の海陽丸、1836(天保7)の出生から1908(明治41)年の逝去までの武揚関係事項を時系列で紹介している。
 太田代表は、「子供たちに武揚の志を知ってもらうのはもちろんだが、小樽を訪れた観光客に、小樽駅近辺の武揚マップを手にして市街地散策をしてもらいたい。市内の中学生全員にマップを渡したので、武揚のことを知った上で、今年の仮装行列に参加してもらいたい」と期待している。
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