「現代版北前船」で北海道の魅力発信 6月にツアー


 ー江戸から明治にわたり北海道と大阪・京都を結んだ「北前船」で、北海道の魅力を現代版「北前船(きたまえぶね)」で知らせたい-。
 新日本海フェリーを「現代版北前船」と見立て、約300年前の歴史や文化を楽しむツアーが、6月2日から4泊5日の日程で行われる。
 「北前船」は、江戸後期に隆盛期を迎えた民間の運送船。港々で産物を買い入れ、価格の高い土地に運んで高く売る「商社」のような経営方法を特色とした。北海道から移出される産物の大半が日本海を経て大阪・京都に運ばれた。
 北前船船主の5代目子孫のチェンバロ奏者・明楽みゆきさん(京都出身)が、昨年、「北前船」の往来があった小樽の地で演奏したことがきっかけとなり、この「現代版北前船」構想が生まれた。関連記事1 関連記事2 
 今年に入り、この構想に共感した関係者たちが集まり、現代版北前船プロジェクト実行委員会(眞田俊一実行委員長・小樽観光協会会長)を発足。ツアー内容の検討に入った。
 ツアーは、6月2日(水)から6月6日(日)までの4泊5日。小樽発ー舞鶴行。船内では、映像を織り交ぜた北前船の歴史トーク、絵本作家による北前船即興アート、発案者の明楽さんのチェンバロコンサート、シェイクスピア朗読劇、松尾芭蕉・句会などが行われる。舞鶴到着後は、回船業の旧家や北前船屋敷、寺社など、北前船のゆかりの土地を巡る。京都東福寺でのバロックコンサートもある。6日(日)は、空路で新千歳空港に戻る。定員42名。旅費11万 98,000円(一人)。
 出発前日の6月1日(火)には、ツアー客以外も参加出来る、小樽運河プラザ三番庫(色内2)で「北前船を語る夕べ」(入場無料・鰊三平汁無料提供)、小樽倉庫No.1(港町5)でヘッドドレスショー(前売り2,500円)、小樽市能楽堂(花園5)でチェンバロと雅楽のコンサート(前売り2,500円)が行われる。
 ヘッドドレスショーは、300年前の日本とヨーロッパの和と洋、過去と現代のコラボファッションショー。市内各所に写真を張り出して一般審査を求め、20組のモデルたちが、運河周辺を練り歩く。
 同実行委員会では、「今年1回限りでは終わらせたくない。これからは、日本海の向こうの中国などの東アジアとの交流が必要不可欠で、今回のツアーがひとつの切り口になって、北海道の魅力を船で知らせていきたい。北海道の食や歴史を発信する入り口が小樽になる」としている。
 現代版北前船

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