事業仕分けで予算減 「頑張る」伝統文化こども教室


 行政刷新会議が行う事業仕分けで一時は廃止となった「伝統文化こども教室」が、継続を求める多くの要望を受けて復活。市内の5団体が、「助成金が削られても日本の伝統文化を伝えたい」と、今年も6月から順次教室をスタートさせる。
 「伝統文化こども教室」は、子供を対象に伝統文化を体験・修得させる文化庁の委嘱事業。市内では、6年前からスタートし、多くの子供たちが、華道・茶道・日本舞踊などの日本古来の伝統芸能を学んできている。芸能だけではなく、礼儀や作法、しつけなども習うため、「日本人としてのこころ」を後世に伝える事業だと、高く評価されている。
 昨年は、市内の6団体が事業に参加し、申請した306万円のうち75%・229万円の助成金を受けた。琴や詩吟、日本舞踊などの教室に約150人の子供たちが通い、「伝統文化こどもフェスティバル」で練習の成果を発表した。
 今年は、「いけばな小原流小樽地区」、「小樽三曲協会」、「茶道裏千家淡交会小樽支部」、「日本詩吟学院岳風会小樽支部」、「日本舞踊 藤間流扇玉会」の5団体が事業に参加。申請した169万円のうち58%・98万円を受けて、これから11月まで10回程度の教室を行う。
 各団体は、この助成金の減少を受けて、楽器運搬や小道具、会場費、事務経費を、カット、縮減、個人負担するなど、切り詰めて事業を実施することにしている。
 「予算がなくてもボランティアであっても、少しでも子供たちに日本の文化を学んでもらえるように教室はやることを決めていたが、事業が継続されて良かった。助成額が減ったので、着物や楽器をお下がりにしたり、指導者の謝礼をしぼったりして工夫して頑張る」と意欲を見せている。
 茶道の教室以外は、随時、参加を受付けている。
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