市長・市議会が一体でポプラ伐採へ 保存求める陳情を不採択

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 小樽市議会は、9月30日(木)13:00から開会した第3回定例会本会議で、市民有志で作る「ポプラ並木を守る会」(松浦光紀代表)が提出した 文学館・美術館のポプラ並木の保存を求める陳情を、自民・公明・民主市民・平成会の与党会派の反対で、不採択と決めた。
 同会は、「市の説明していた伐採理由は、専門医の診断も受けず、何の科学的根拠もないものであることが判明した。ポプラの伐採とイタヤカエデ 植栽の再検討のため、外構工事の設計を一部変更し、生命あるポプラ並木の保存を求めます」と、2,539筆の署名とともに陳情を市議会に提出していた。
 同陳情を審議する同定例会総務常任委員会(前田清貴委員長)では、自民党3(横田久俊・山田雅敏・久末恵子)・公明党1(斉藤陽一良)・民主市民 連合1(佐々木勝利)の5委員の反対で不採択となった。賛成したのは共産党・菊地葉子議員のみ。
3tei-yamada.jpg 本会議では、自民党の山田議員が、「本陳情には樹木医の診断書が添付されているが、4本のポプラが健康木であることは専門家のご意見であり、それに異を唱えるものではありません。しかし、陳情では、健康木だから倒れる危険性もないと断定されているが、それには多少の違和感を禁じ得ません。現実にポプラが強風で倒れている事例も多くあります。そのすべてが不朽したものではないと認識している。成長が早く高木となるポプラが、その高さに比較して根が深くならないことから、倒れる実例があり、安全面で不安があります。地方自治は、住民の生命身体財産を守るのが任務。倒れないかもしれない、倒れるかもしれない、こうした不安を抱えながら、樹木を放置していくことは、危機意識や管理責任が問われる。今回の多目的広場の整備では、代替えの樹木の植樹も含まれており、緑にも十分配慮している。市民や観光客が集う多目的広場と手宮線と一体化となった広場を作る計画は、市道の交通量を踏まえた近隣の状況を総合的に判断した時に伐採の合理性は存在しないとは言えない。ポプラの伐採を含めた広場整備で、文化的歴史的財産が今まで以上に高まるものと確信している」と不採択を主張。
3tei-saito.jpg 公明党の斉藤議員が、「当該ポプラは、山林や農地、公園に立っているものではなく、万が一、倒木の危険が生じたときにも、交通の遮断や立ち入り禁止の措置も容易にはとりにくい立地である上、何の前兆もなく倒れる可能性も皆無ではありません。ポプラの健康、不健康にかかわらず、その蓋然性は高くないにしても、万が一という倒木時における人的及び物的損害を考慮すれば、その危険を未然に防ぐという観点から、当該ポプラを現時点において伐採することは、あながち不合理とはいえないもの。むしろ、絶対に倒れないという保証もない以上、伐採は止むを得ないといわざるをえません」と不採択を主張。
3tei-kikuti.jpg 共産党の菊地議員は、「旧手宮線との一体感を持たせた、市民あるいは観光で訪れた方々の憩いの空間をつくる整備事業です。安全性の確保のためにポプラを伐採するとのことですが、樹木医の診断によるとまれにみる健康木とあります。小樽市の歴史を語る風景を保存しながらの整備事業であってもよいのではないかと考えます。ポプラ保存を望む市民の意見を十分検討しながら、多くの市民の納得の得られる整備事業にしていく方策を検討すべき余地は残されている」と採択を主張。
3tei-narita.jpg 無所属の成田祐樹議員は、「今回のポプラ伐採の件は市役所分庁舎の改装に伴って、いつか伐採する木だから一緒にこの際に処理した方が良いのではないかという市の考え方があるかと思いますが、小樽市が考えている以上に市民のポプラに対する想いがあり、これは予想外だったなというのが本音ではないでしょうか。採択の理由には、まず第一にポプラそのものの必要性の目測を誤った事にあります。奥入瀬などの倒木被害の補償などの他市も参考にするのであれば、札幌市のように樹木の必要性を議論しているところも参考にすべきでした。伐採ありきの他市の状況だけを利用して、伐採側に偏った説明する行為自体が、調査不足だったという事は否めません。第二にポプラ自体に対しての調査は一切なされず、小樽市に伐採に関する調査データが一切無いという事です。状態をきちんと調べもせずにとりあえず伐採というのもあまりに安直と言わざるを得ません。樹木医からの調査結果を各議員もお持ちでしょうが、それでも伐採の必要性があるのでしょうか。樹木医という専門家を上回る理論的な根拠に基づいた説明をいただきたい。第三に陳情の署名が集まり、市民の皆さんの声を無視できない状態にある事、第四に、ここが一番主張したい部分なのですが、緊急性が無いという事です。すぐにでも倒木の可能性があるのであれば、伐採やむ得ないというのは理解できますが、樹木医の診断結果により倒木の可能性が低い以上、ここはいったん伐採を見送って市民と市との間でポプラ並木をどうするのか、話し合う時間をあげても良いのではないでしょうか。その時間すら提供しないという事に極めて疑問が残ります。ポプラ並木だけをとりあげて市に保証責任が及ぶから伐った方が良いというのであれば、その他の街路樹や公園の木に倒木の可能性は無いのですか。ちょっとでも危なかったら、事故の可能性があるのなら伐った方が良いのではないですか。そうしないと今回の判断には整合性が保てませんよ。今までの論理を聞いてたら、もし陳情で危険な木は全部伐って下さいと言えば、市の木は全部伐って頂けそうな勢いですよね。喫緊に伐らねばならない程の状態ではないのは確かです。であれば、議員が民意を汲み取って市役所と市民の間に話し合いの時間を設けて、双方が納得できる落としどころを探すのが議員の役目ではないでしょうか」と採択を主張した。
 しかし、採決の結果、自民・公明・民主市民・平成会の与党会派によって不採択となった。
 本会議場には、ポプラ並木を守る会の松浦代表をはじめ、約10名の発起人たちが傍聴に訪れ、市議会議員の討論の様子に耳を傾けていた。
 
 松浦代表は、「不採択とした議員さんは、4本のポプラが健康木であることは専門家のご意見であり、万が一ということで伐採に賛成している。これでは、樹木は倒れる危険があるから全部伐らなければいけないと言っているようなもので論理にならない。憤りを感じている。素人考えでの判断ではなく、時間をかけて議論をするべき。今後は、伐採されるまで署名活動を続ける。伐採されてしまった場合は、本当に伐採に値する樹木だったのか検証したい。1本倒れたからと倒木の危険があり伐採するというが、当時の天候を調べると、一日の最大 の降水量が112mmで1時間の最大が31.6mm、10分間の瞬間は9.5mmで、記録がある1943年から2010年までで最大の雨が降って いた。平成16年の台風18号の時は、瞬間最大風速が44.2mでこれも記録がある中で最大の強風だった。この状況の中でも4本のポプラは、雨にも風にも耐え、今でも健康だ。万が一の科学的根拠はなく、それで伐採されることは非常に不合理だ。4本のポプラには、小樽市長と小樽市議会議員に殺されるから、早く逃げてくれと言いたい。賛成した議員さんには、1回でも2回でもチェーンソーで、自らポプラを伐ってごらんと言いたい」と憤っていた。
 小樽市教育委員会は、10月初旬から中旬にかけて、ポプラを伐採する方針で、「ポプラを伐採した時に、空洞がないか確認して、もし再利用出来るものであれば、ベンチやイスにして、広場で使用したい」と、樹木の生命を一顧だにしない対応だ。教委は、児童たちに植樹を奨励しているのに、何ら根拠なく自ら切り倒したポプラのベンチやイスに、何も知らぬ子供たちを座らせて、良しとするのだろうか。
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