市のポプラ伐採は10/4(月) 守る運動の広がりを懸念


 小樽市(山田勝麿市長)が進める小樽文学館・美術館広場整備工事で、4本のポプラ並木の伐採が、10月4日(月)08:00~17:00に、強行されることになった。
 ポプラ伐採問題では、市民有志が集まって「ポプラ並木を守る会」(松浦光紀代表)を結成。伐採に反対する署名活動を行い、ポプラの保存を求める陳情を市議会に提出した。市議会では、自民党・公明党・民主市民連合・平成会の与党の反対で、市民の陳情は不採択となった。
 ポプラを守る運動の広がりを懸念した市は、急きょ、工事を発注した株式会社山修嶋田建業(入船3)との打合せを進め、10月4日(月)朝から、4本のポプラ並木を伐採することを決 めた。1日(金)には、「10月4日から9日まで公園内の立入を禁止します」と書いた看板を旧手宮線に設置した。
 1日(金)発行の広報おたる10月号では、今月の焦点として「生まれ変わる文学館・美術館」を掲載。「敷地内に植えられているポプラの木について は、残すべきとのご要望がありました。しかし、昭和60年9月に1本が台風で倒れており、多くの人が行き来する場所であることから、安全性を第一 に考え、伐採することはやむを得ないとの判断をしました」と、114文字でポプラの伐採をあっさり告げた。
 美術館所管の小樽市教育委員会・青木良英次長は、1日(金)に、守る会の松浦代表の自宅を訪問し、4日(月)に伐採することを報告。松浦代表は、「青木次長は、署名簿を教委に届けて頂きありがと うございましたと言いいながら、何の反省の色もなく、伐採するのは危険だからの一点張りで、生命ある樹木への一片の心配りもなかった。市役所の都合だけで切られるポプラは、本当に可哀想だ。ポプラには、こんな理解のない教委がある街に育ったことが不幸なことになった。」と、不信感を募らせていた。
 同会では、伐採の4日(月)当日、作業風景や伐採されたポプラの写真を記録に取り、本当に伐らなければならなかったのか、改めて樹木医に診断を求めることにしている。
 看板を設置された1日(金)、このポプラの木を見上げていた市民は、「市役所のやることには本当に呆れる。ここまでひどくなってしまったのか。これが児童を預かる教委のやることか。伐らないでと訴えることもできないポプラが可哀想だ。本当は市が自然を守らなければ いけない立場なのに。市役所が貴重な自然を破壊することに、市職員から何の声も上がって来ないことこそが大問題だ。こんな行政ならは無い方が良かった。小樽市役所の自殺行為だよ。」と怒りを露にしていた。
 10月4日(月)08:00~17:00、半世紀以上にわたって手宮線の歴史を見続け、今後まだ半世紀も生き続けられる健康木の貴重なポプラ並木が、小樽市によって、バッサリと伐り倒される。
 ポプラを伐採した山田市長の「勝麿のポプラ」は、ポプラを守った安達市長の「与五郎のポプラ」と比べ、小樽市長の器の大きさの違いとして、永く後世にまで伝えられることになろう。
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