歴史的建造物がライブハウスに 北運河の旧渋澤倉庫


goldstone.jpg 小樽運河北部「北運河」にある小樽市指定歴史的建造物の旧渋澤倉庫(色内3・明治28年建築)が、本格的な音響設備を備えたライブハウス「エンターテイメントホール GOLD STONE」に生まれ変わった。
 「GOLD STONE」は、株式会社サウンドクルー(東京)の山本英幸代表取締役社長(47)が、総事業費約3億円(土地・建物含む)で改修工事を行い、今月完成した。
 小樽出身の山本社長は、18歳で上京し、1984(昭和59)年に同社を設立。大田区の東京流通センターに本社を構え、楽器・音響・映像・レコーディング機器のレンタル・設営・販売をはじめ、リハーサルスタジオ、レコーディングスタジオを運営している。
 「港町小樽は芸術が似合う街で、伊藤整や小林多喜二などの文学では有名な人がいるが、エンターテイメントが足りない。古き良き建物を活用したエンターテイメントで、若者たちに本物のライブを見てもらって、将来、ビッグなアーティストになってくれる人を育てたい」と、5年ほど前に、石造倉庫を活用したエンターテイメントホール構想を抱いた。
 2006(平成18)年に土地・建物を取得し、昨年から本格的な工事を始めた。石の外壁や木骨をそのまま使用し、鉄骨で耐震補強。ホール壁面に反射材と吸音材を交互に張り合わせ、約2,000万円の音響機材を導入。「一流のアーティストが演奏に来ても恥ずかしくない」。1階ホール(約200平米)は、スタンディング200~400名、椅子席163席、テーブル72~80席、ビュッフェスタイル48~50席。
goldstone2.jpg 年内はプレオープンとして試験営業し、来年から本格オープンの予定。「Face to ace」の「緩急自在Part2」(10/23)、「GERARD」の「GERARD 2010 AUTUMN TOUR【Ring Of Eternity】Night in OTARU」(11/14)、「植村花菜」のLIVE(11/28)などのライブが行われる。ホールレンタル料は、興行規模に応じる。
 同ホールには、カフェ・バーが併設されており、北運河のノスタルジックな雰囲気を眺めながら、食事やアルコールを楽しめる。フードは350 円~1,200円、アルコール550円~600円と、気軽に利用出来る価格設定となっている。ノーチャージ。カフェ・バーの営業時間 (11:00~25:00予定)帯であれば、いつでも誰でもホールを見学することが出来る。
 山本社長は、「小樽が、ビートルズを生んだイギリスのリバプールのようになってくれたらという想いを込めて造った。小樽の人が本物のライブを楽しめるようになってくれれば嬉しい。儲からなくても、エンターテイメント性を保って運営を続けていければそれで良い」と語る。
 エンターテイメントホール「小樽 LIVE THEATER ‘ GOLDSTONE ‘」