博物館の展示車両解説書を刊行 NPO保存会


tetsudosyaryou.jpg 北海道内の蒸気機関車・鉄道車両の保存修復を目指す「NPO法人北海道鉄道文化保存会」(飯田勝幸理事長)は、このほど、小樽市総合博物館(手宮1)で保存されている50車両の解説書「北海道開発の夢を運んだ鉄道遺産」を刊行した。
 同保存会は、2008(平成20)年7月に発足し、同館内で展示されている鉄道車両の修復を続け、館内でミュージアムショップ「ポッポ-」を運営している。
 今回、「花王・コミュニティミュージアム・プログラム2009」の助成金(1年間50万円)の一部15万円を活用し、解説書を作ることにした。同保存会が北海道の”ふるさと雇用再生特別対策事業”の助成を受けて実施する「ミュージアムコミュニケーター育成活用事業」のメンバー・持田誠さんと矢田芳輝さんの2人が中心となって行った。
 作業は、昨年7月から12月までの6ヶ月間で、館内の車両の資料を掘り起こし、50台分の概要をまとめた。今夏に入り、10月14日の鉄道記念日に向け、その概要の裏づけを急ピッチで行った。鉄道資料をはじめインターネットも活用し、製造年月の1ヶ月、1年のずれも徹底的に調べあげ、蒸気機関車、電気機関車、ディーゼル機関車、気動車、客車、貨車、除雪車の車両の形式、種類、歴史を詳細に綴った。2年越しで完成した解説書は、A5版・59ページ。同館構内と展示車両配置図も掲載している。1冊500円(税込)。
 同保存会の清水道代常務理事は、「解説書を持ち歩いて車両の前で読んでもらいたい。ポケットやバッグに入れて車両の前で歴史を垣間見てもらえたら嬉しい。車両が、どういう活動をしてどんな活躍をして、そしてどうしてここに展示されているのか、車両のロマンを感じてもらえたら」と話している。解説書の収益は、今後の改訂版作成の費用に充てる。
 同館では、「博物館のガイドブックなどは民間に制作してもらって、小樽市の予算で作られたものは一つもない。これだけ詳しくまとめてもらえると読み物としては面白く大変嬉しい。見事な成果品になっている」(石川直章学芸員)と喜んでいる。
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 NPO法人北海道鉄道文化保存会