樽病 9月の収益・患者数が減少 医師退職の影響


 市立小樽病院(若松1)と小樽市立脳・循環器・こころの医療センター(長橋3)の今年度の上半期(4月~9月)の収益が、4日(木)に明らかになった。小樽病院では、8月に内科医師が一人退職したことにより9月の収益・患者数が前月と比べ減少し、今後の下半期の収益への影響が懸念されている。
 小樽市病院局発表の2010(平成22)年度診療収入によると、両病院の上半期の入院収益は24億2,774万7,000円(昨年度22億9,698万円)、外来収益は13億5,960万2,000円(同13億299万9,000円)で、合計37億8,734万9,000円(同35億9,997万9,000円)となり、昨年度よりも1億8,737万円増加した。患者数は、入院62,505人(同60,939人)、外来90,444人(同8,3251人)で、計152,949人(同144,190人)と、8,759人の増加となった。
 昨年度の上半期の小樽病院では、入院外来収益と患者数とともに前年度と比べマイナス数字のオンパレードとなっていた。これは、医師補充前提の甘い見通しの下で作られた予算だったことが原因で、上半期の収益は4億5,583万円ものマイナスとなっていた。関連記事
 今年度は、「昨年度と比べて入院患者数が増えており、診療報酬のプラス改定の影響で患者1人の単価も増えているので収益が増加した。形成外科の常勤医を1人確保したことで入院患者がとれるようになった。診療科目ごとに1日平均患者を1人増やすという局長のプラス1運動の効果で、医師の努力の積み上げも要因となった。センターは昨年からもともと良く、そんなに変わっていない」(病院局)と、前年度を上回る数字で経過している。
 しかし、小樽病院では、8月に内科医師が一人退職しており、この影響で、9月は8月に比べて収益も患者数も減少した。
 8月の収益は、入院3億9,495万6,000円、外来2億3,815万4,000円で計6億3,311万円。9月は、入院3億4,457万3,000円、外来2億2,061万3,000円で、計5億6,518万6,000円となり、6,792万4,000円の減。
 8月の患者数は、入院10,215人、外来15,641人で計25,856人。9月は、入院9,463人、外来14,779人で計24,242人となり、1,614人の減となった。
 病院事業会計の予算では、22年度診療収入は76億5,200万円を見込んでいる。退職した医師一人を補充出来なければ、残りの下半期の収益は、この9月分で計算すると33億9,111万6,000円となる。上半期の37億8,734万9,000円と合わせると年間診療収入は71億7,846万5,000 円にしか達しない。これは予算の診療収入76億5,200万円よりも4億7,353万5,000円少ないことになる。
 小樽市が量徳小敷地で建設する新市立病院は、23科・388床で148億7,300万円で、起債(借金)とその利息を合わせると元利償還額は193億 6,900万円もの巨額に上る。この起債(借金)の許可には、2009(平成21)年度末の11億6,303万8,000円の不良債務を、2010(平成 22)年度で解消し、31億9,044万円の資金不足額を2013(平成25)年度までに解消することが条件となっており、今後の下半期の数字がどのように推移するかが、新病院建設への大きなカギとなる。
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 平成22年度診療収入(対 21年度診療収入)