「ふるさとのため」1,260万円寄付 東京の60代女性


 小樽市は、12月1日(水)開会の市議会第4回定例会で、移動図書館車購入費等経費として1,210万円の予算を計上する。
 移動図書館「うしお号」は、市立小樽図書館(花園5・野口陽一館長)が、火曜日から土曜日までの間に、市内28ステーションを巡回し本の貸出・返却を行うサービスの一つ。1974(昭和49)年からスタートした。
 3代目の車体は、1993(平成5)年車で17年経過し、6月の点検で、ブレーキパイプの漏れや車体フレーム・リアサスペンションの腐食が見つかり、修理に104万円がかかるとされた。このため、消防本部のマイクロバスを借りて代替運行を行ってきた。
 代替車では、運べる本が半分以下で出し入れが不便とあって利用者から苦情が寄せられた。これを受け、市では、年度内に納車するために第4回定例会に過疎債を導入して購入予算を計上しようとしていた。
 そんな折、11月上旬に、小樽出身で東京在住の60代女性から、親交のある市議会議員を通じて、ふるさと小樽のために1,000万円を寄付したいとの申し出があった。市は、この寄付金を図書館車購入費に充てることを決め、女性は、購入費とともに内装代を含む1,200万円を寄付することにした。
 市では、女性の名前を車名にしたいと相談したところ、女性は、「子に夢を持たせたいから考えて欲しい」と公募することを提案。さらに、入選作品を考えた子供たちにと10万円追加し、16日(火)に1,210万円を寄付した。市は、第4回定例会に同予算を計上する。予算案が可決された後、市内の小学生を対象に車名の公募を行うことにしている。
 また、24日(水)、この女性から、今度は、「これから育つ子供のために、よみきかせ用の本に使って」と50万円の寄付の追加があった。女性は、定年まで会社勤めしていたが、今は介護関係の仕事をし、匿名を希望している。
 市立小樽図書館の野口館長は、「大変嬉しく思っている。本当に嬉しい」と話していた。
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