「新病院実施設計は随意契約」 市長が年始会見で明言


mayor.jpg 正月休みが明け、4日(火)から仕事始めとなった小樽市役所で、山田勝麿市長は、年始市長記者会見を開き、「新病院の建設工事を23年度中に着工するには実施設計を随意契約するしかない」と述べた。
 市長は、財政、産業振興などの23年中の取り組みを発表し、新病院問題について、「(国の医療施設耐震化臨時特例交付金の)当初予定は11億円くらいだったが、減額されるためそこまでいかないが、一定程度入るとチラチラ情報が入っておりますので、目途が付けば23年度中には着工したい。実施設計も随意契約で出来ますので、随意契約であれば、議会を通すという手続きもなく比較的短期間に出来るので、23年度中に着工するには随意契約するしかない」と明らかにした。
 市は、新病院建設で、国の医療施設耐震化臨時特例交付金(約12億円)を導入するため、急遽、当初予定していた2012(平成24)年度7月の建設工事発注・着工を、2011(平成23)年度3月末までに前倒しすることを目論んでいた。同交付金に対する申請件数が多く、小樽市への配分が減額されるものの、「一定程度入るとチラチラ情報が入っている」ことから、建設工事の発注・着工を2011(平成23)年度中に前倒しするには、実施設計を久米設計に随意契約するしかないと明言した。
 首長や議会の議員の改選を目前に控えている場合、新年度予算では、一般的に、政策的経費を極力抑え、新規事業を盛り込まないで、義務的経費を中心とする骨格予算を計上し、選挙後の議会で肉付け予算を補正することが筋とされている。市長も自ら「改選期のため骨格予算となる」としている。
 山田市長は、前回選挙前には、築港地区で久米設計との基本設計を契約。中断後は、量徳小に敷地を変え、久米設計と基本設計を再び契約。今度は、4月で引退を表明しているにも関わらず、新病院の実施設計を久米設計と随意契約で新年度予算に計上するとしており、山田市政と久米設計との密着ぶりが露呈した格好となった。
 新病院の建設では、小樽市医師会が、「コンパクトで安価な計画」を求めており、次期市長選では、起債の見通しも不透明なまま山田体制を引き継いで豪華病院を建設するのか、新病院のあり方や規模・建設費を改めて再検討し、他の医療機関との再編協議の上で建設していくのかが、大きな争点として浮かび上っている。
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