5年ぶりの雪下ろし 日銀旧小樽支店



 日本銀行旧小樽支店・金融資料館(色内1)の屋根に積もった約1.5mの雪下ろし作業が、5年ぶりに、2月8日(火)09:00から始まった。
 この雪下ろし作業は、毎年1月から2月にかけて行われる小樽の冬の風物詩だった。近年の暖冬少雪の影響で、屋根に積もる雪は少なく、2006(平成18)年の作業以来、行われていなかった。
 今冬は、強い冬型の気圧配置の影響で、真冬日が続き大雪に見舞われ、同金融資料館の屋根には約1.5mの雪が積もった。建物の保護・住民・通行人の安全確保のため、「屋根の雪下ろし」作業が5年ぶりに行われることになった。
 天候に恵まれた8日(火)、作業員8名は09:00に屋根に上がり、望楼や飾りなどに命綱をくくりつける作業を行った。地上では、作業員2名が、ライトアップの照明を守るためにパネルを設置。万が一を避けるため、通行人が同館前より離れた歩道を通るようにコーンを設置した。
 入念に準備を行ったのち、作業員らは、正面玄関上の屋根の雪下ろしから始めた。スコップで上のやわらかい雪を地上に落とし、そのあと屋根に凍りついた雪氷を砕いた。固まった雪が地上約20mから落ちると、ドス、ドスと低い音が広がった。
 同館は運河と中心街をつなぐ浅草橋通りにあり、観光客の通行も多く、地上の警備員の合図で、たびたび雪下ろしを中断する。作業には時間がかり、9日(水)まで2日間かけて雪と格闘する。
 日本銀行旧小樽支店は、1912(明治45)年に完成。外壁のレンガの表面にモルタルを塗り石造り風に作られ、小樽市の歴史的建造物に指定されている重厚な建物。東京駅を設計した辰野金吾な長野宇平治らが設計した。