「子供の世界を広げたい」 ジャナグルツアー実行委結成


jenaguru.jpg アフリカ南部ジンバブエのダンスミュージックグループ「ジャナグルジュニア」の小樽公演を昨年見学した市民たちが、「自分たちと肌の色が違う子供がいること。こんなに輝いている子たちがいるというところを見てもらいたい」と集まって、北海道公演2011ツアー実行委員会(吉岡大策代表)を結成し、公演場所や協賛金集めなどに精力的に動いている。
 「ジャナグルジュニア」は、小樽市出身の高橋朋子さん(57)が、ジンバブエで設立した「ジャナグルアートセンター」のグループ。高橋さんは、大阪で見たアフリカ出身のレゲェミュージシャン「ボブ・マーリー」の影響を受け、1986(昭和61)年にアフリカに渡って同国首都ハラレに移り住んだ。「ジンバブエにはレコード会社が一社しかなく印税がアーティストに支払われない。レコーディングが出来て曲を管理するスタジオを作りたい」と同センターを建設した。
 大人のグループは、ジンバブエの伝統音楽のアピールを目的に、2002(平成14)年に初の日本ツアーを企画し、2005(平成17)年、2006(平成18)年にも行い、全国各地を精力的に回り、歌とダンスを披露しながら文化交流を行った。
 昨年は、初めてジュニアグループが来日し、関西、東北、北海道の小中学校、高校、大学、病院、老人ホーム、幼稚園など約30ヵ所を回った。最終公演地の小樽では、ロース幼稚園、色内小学校、まや幼稚園、朝里クラッセホテルの4ヵ所で演奏し、好評を博した。子供たちにとっては、肌の違う色の子供たちが生き生きとダンスし歌う姿を見て、価値観が広がり良い刺激になったという。
 公演会場となったロース幼稚園の職員・吉岡さん(35)が、今年も北海道ツアーが計画されていることを知り、「前回は、スケジュール管理から炊事、協賛金集めまで、すべて朋子さんがやっていて本当に大変そうだった。今回は僕ら仲間が集まって支援したいと思って実行委員会を作った」と、北海道ツアー2011 実行委を結成。現在、公演場所や協賛金集めに取り組んでいる。期間は、7 月7日から8月2日までの1ヶ月間。
 今年は、10才の女の子2人、8才・12才の男の子2人、コーチ3人の計7人が参加する。2部構成で、1部は親指ピアノの「ンビラ」による伝統音楽・オリジナル音楽の演奏、2部は伝統ダンスの披露、伝統民族のクイズを行い、最後に来場者と一緒に踊る。
 吉岡さんは、「日本の子供たちの中には、他人と違うといじめたりする人がいる。先日も食べるのが遅いから虐待してしまったという問題もあった。子供のうちに色々な人がいるということを体で感じて欲しいと思って企画した。園児には、今年ジャナグルが来ると言ったら会いたいと言ってくれた。小樽の子たちに朋子さんの頑張っている姿を見せたい」と話している。
 高橋さんは、「自分の生まれ育った街で、ジャナグルの公演をやりたいと思って頑張ってきた。肌の色が違う子供たちと会って、小樽の子供たちにとって世界を広くしてあげたい。この公演をきっかけにして小樽の子には愛情を持って育ってもらいたい。近い将来、小樽の子たちをジンバブエに連れて行って一緒にレコーディングをしたりキャンプをさせたい」と夢を語る。
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