桜に誘われて 水天宮界隈をゆっくり散策


 GW中は肌寒い雨模様の天候が続いていたが、今週に入り、太陽が戻り快晴の日和となった。
最高気温もようやく2ケタ台となり、5月12日(木)は、15℃を数えた。市街の中心地のソメイヨシノも満開の時を迎え、散策する市民の姿も多くなっている。
 市中心部の高台にある水天宮は、市指定の重要眺望地点となっており、桜の名所としても知られている。海が一望できる高台にあり、桜の木々の間から大型フェリーの発着や貨物船・漁船などの往来が、目前で見られる。
 境内には、3つの歌・句・詩を刻んだ石碑が建てられており、文学散歩が楽しめる。石川啄木歌碑、三ツ谷謡村句碑、河邨文一郎詩碑がそれぞれの個性を主張しながら、桜とともに小樽の海を眺めている。
 参道の石段を下ると、繁華街に続く花園橋に着く。この橋のたもとには、ソメイヨシノの並木があり、現在満開となっており、カメラを向ける市民も多い。
 境内を旧堺小への坂を下ると、堺町に至る急坂がある。板谷商船で財を築き、小樽の市長を務めたこともある旧板谷邸の脇の坂で、出世坂とも言われている。この屋敷の石塀に沿っても桜があり、坂の向こうに雪をかぶった増毛連峰が、ソメイヨシノとともに見られる。
 遠出をしないでも街中で絶景をたのしめるのは、小樽に住む人の特権でもある。快晴に誘われて、 水天宮界隈をゆっくり散策したいものだ。

 河邨文一郎詩碑
 三ツ谷謡村句碑
 石川啄木歌碑