総務部長らに罰金刑 パー券販売の「規正法」違反事件



 4月24日の市長選で初当選した中松義治市長(64)の後援会(会長・山本秀明商工会議所会頭)が、3月行なった政治資金集めのパーティー券(1枚3,000円)を、公務員の地位を利用して市役所内で販売したとして、5月1日に逮捕されていた、山崎範夫総務部長(58)と松川明充・後援会事務局長(元市議会事務局長)の2人が、札幌区検に20日(金)略式起訴され、札幌簡易裁判所は、それぞれに刑事罰として罰金30万円の略式命令を言い渡した。政治団体の後援会も略式起訴され、30万円の罰金刑が出された。
 また、同じく政治資金規正法違反で書類送検された当時の部長級職員ら10人にも、各15万円の罰金刑の略式命令が出た。
 これを受け、20日19:00から中松市長が記者会見を開き、「いずれも地位利用の政治資金パーティーの売買に伴う政治資金規正法違反ということだが、現在、まだまだ把握出来ていない部分がありますので、詳細については不透明なところもありますのでお許し頂きたいと思います。対象となった職員は、総務部長及び当時の部長職10名の合計11名ということで聞いております。総務部長の逮捕以来、推移を見守っておりましたが、起訴となったことは誠に遺憾であり、また市民の皆さんに大変申し訳なく思っています。今回の刑事処分に伴う行政としての懲戒処分については、法に照らして厳正に対処して参りたい。今回の一連の事実関係を確認するとともに、二度とこのような事態を招かないよう再発防止に向けて外部の調査委員会を設置する。現在は具体的な人選に向けて動いている。いずれにしても、多数の市職員が起訴されたことに対し、市民の皆さんに謝罪を申し上げます」と述べた。
 この後質疑応答では、
 自身の進退について
 「続けていきたい。辞めるつもりはありません。私の処分は考えていく。どういう形がよろしいのか、色々な方にお聞きをしたい」
 収入役の時、パーティーに参加したことがあるのか
 「記憶はないです。(パーティー券の売買の事実は)ありません」
 パーティー券売買が慣例化しているというが
 「調査委員会で事実関係を調べていかなければと思う。市長の就任前は承知していない。調査委員会を立ち上げ、事実関係、原因について調査して頂きたいと思っている」
 市幹部職員に前科がついたことについては
 「調査委員会でしっかりした形で対処したい」
 人事については
 「早くやりたいが、地方公務員法に基づく対処を考えていきたい。どういう処分か先ほど聞いたばかりなので、出来るだけ早急に対処したい。処分のことは審査委員会があるので、それを立ち上げたいと思っている」
 自身の処分は
 「法律を守る立場の公務員が法律を守れなかったのは大変問題と思っている。コンプライアンスは民間では当たり前。銀行にいたときにやっていたので、今回の事件に関係なく、きちっと対応することをしたい」
 自身の責任については
 「私自身でなく後援会でしょ。私自身が後援会の役員をやっておりませんし、後援会を運営している訳ではありませんし、後援会の中で意見を言っているつもりはない。後援会で担いで頂いているだけですから。そういう質問は失礼かなと。後援会の話しではなくて、今、市の職員がこういう形になったことは、市長として責任を感じているということは申し上げている。後援会でどういう状況になっているかは報告を受けていない。いずれお聞きしたいと思う。今日のお話は市の職員のことでございます」とした。
 また、松川明充・後援会事務局長(元市議会事務局長)は、「小樽市民の皆様に大変ご迷惑をかけてしまいました。ほかでもなく私の軽率さがすべてのことの発端でした。心からお詫び申し上げます。このために、直接には山崎範夫さん、そして立件された旨が報道されているらしい小樽市役所の多くの幹部の皆様、さらには自分が所属していた中松後援会の皆様、ひいては中松義治市長ご本人に多大なご迷惑をかけてしまったことを思いますと、心苦しくて仕方ありません。単なる罰金刑にとどまらず公民権停止という刑事処分を受けたことを重く受け止めて、今後は慎ましく一市民として過ごします」とコメントを出した。