中松市長が給料10%カット パー券問題で"けじめ"?


nakamatsu25-2.jpg 小樽市の中松市長は、5月25日(水)16:30から、市役所内で記者会見を開き、自身の後援会と後援会事務局長が起こした一連の政治資金規正法違反事件 の責任を明らかにするとして、6月から8月までの3ヶ月間、給料月額10%をカットする方針を決め、5月30日(月)に開かれる市議会第2回臨時会に 議案を提案するとした。
 この10%減額は、小樽市のこれまでの規準では、1ヶ月減給が多いが、今回のことを大変重く受け止め3ヶ月10%減給したとした。この給与カット での責任 の取り方に対し、記者から「市民の理解が得られるか」との質問が出されたが、「何とも申し上げられない」と他人事の姿勢に終始した。
 市長の給与は、条例上では、月額983,000円となっているが、財政健全化で30%削減を実施中で、現在688,100円となっている。これから10%を減額 し、619,290円が支給額となるという。結局、10%の6万8,810円の3ヶ月分で、計20万6,430円の減額となる。
 逮捕された総務部長は、罰金30万円、その他の略式起訴された部長は罰金15万円となっており、市長の約20万円の減額はこの間に当たる。
 市長は、記者会見で、「今回の臨時会には、山田厚副市長の任期が5月31日に満了となることから、後任の選任議案を提出させて頂く予定だったが、 これについては当面空席とさせ て頂き、第2回定例会に予定している。今回の政治資金規正法違反で、総務部長を含め当時の11名の部長職が起訴された。罰金などの略式命令を受け たこと で、市民の皆様の信頼を大きく損なうことになりました。今回の事件では、私の後援会と後援会の事務局長も刑事処分を受けた。私としても大変重く受 け止めて いるところでございます。さらに、副市長が空席となる事態となり、市長としても大変申し訳なく思っている。これらに対する私の責任をなるべく速や かに明ら かにすべきと思い、給料月額を6月から8月までの3ヶ月間10%減額することとし議案を提案させて頂いた。なお、私の月額は財政健全化のため 30%削減し ているので、今回、削減後の額から10%削減する」と述べた。
 質疑応答では
 10%減について
 「市長の責任の中で、だいだい10%1月減が多いが、さらに重く受け止めているので3ヶ月にした。それぞれの責任の重さは色々なケースがあり、 トータル 的に判断したとご理解頂きたい。調査委員会の全体像見るとその分遅れるので、やはりスピードを持った私の責任の対処をお示しした方がよろしいと 思った。現在の状況の中で、私としてはこのような責任を取りたい。職員の処分とは別です」
 市民の理解は得られると思うのか
 「何とも申し上げられない」
 給与カットはトータル的な責任としているが、これまで後援会のことは承知していないと言い続けていたのに
 「今も関わっているとお話をしておりません。私の後援会が刑事処分を受けたことを重く受け止めている。関わっている関わっていないということでな く、責任を感じているので対応した。私自身を支援してくれた後援会が重い責任になり、重く受け止めているということ。」
 第2回臨時会に給与カットを決めたのはいつか
 「少し前。第1回臨時会の議案を出したあと(に決めた)」
 後援会のことについて
 「後援会がどういう形で起訴されるか、松川氏がどういう形になるか何も情報がない状態だった。後援会自体の運営に関わっていないと話していたが、 今回はあの処分が出たので重く受け止めているとお話をさせて頂いた。」
 市長は、調査委員会等の判断次第で、追加の処分がありうるとしたが、3ヶ月10%の給与カットで、この事件の幕引きを狙っているのがありありと見てとれる。今後の職員の処分も早急に行い、起訴された部長たちの留任で、この状況を乗り切る意思が見て取れる。中松市長は、”犯罪人名簿”に載せられる前科持ちの幹部たちが、観光都市小樽の街の行政を仕切ることを容認する姿勢を見せた。
 民主主義の選挙で当選し「辞めない」と言明する市長を辞めさせる方法はなく、リコールも1年を経過しなければ出来ない。小樽の行政は、刑事処分を受けた幹部職が引き続いて行うという、極めて異例の状況が展開されることになり、全国的にも注目されることになる。