裏からこそこそ初登庁 "中松丸"の前途は視界不良


nakamatsu1.JPG 裏からこそこそ初登庁 ”中松丸”の前途は視界不良
 ゴールデンウィークの休日に挟まれた平日となった5月2日(月)、小樽市役所に、今回の市長選挙で初当選した中松義治新市長が初登庁した。
 前日に、山崎範夫総務部長とOBの松川明充・元市議会事務局長の2人が政治資金規正法違反容疑で逮捕され、市役所に大きな動揺が続く中での登庁となった。
 この日は、正面玄関で報道陣が待ち構えていたが、中松市長は、それを避けるように、裏の消防庁舎からこそこそと入る、異例の初登庁となった。
 登庁しての初仕事は、部長会議を召集し、幹部職員逮捕による綱紀粛正を指示した。この後、11:00から「市職員の政治資金規正法違反について」の記者会見に臨んだ。
 中松市長は、「昨晩12時前に、山崎総務部長の逮捕という報告を受けました。逮捕容疑の詳しい内容につきましては、警察の発表事項以外は承知しておりませんけども、公務員がその地位を利用して、政治資金パーティーの関与に禁止している政治資金規制法違反容疑と認識をしております。職員が事情聴取されること事態、大変世間を騒がせたことであり、さらに法律を守る立場の職員が逮捕されたことについては、はなはだ遺憾と思っておりますし、市民の皆さんの信頼を損なうこ とで大変申し訳なく思っております。
 今後、司法関係者のさらなる調べがあると思いますので、その推移をみながら、市としては、法に照らして、厳重な対処をとってまいりたいと思っている。市職員から逮捕者が出たことに対し、市民の皆様に謝罪を申し上げたいと思っております。また改めて職員に対し、法の遵守を含め襟を正すことを徹底してまりたい、このように思っております。大変申し訳ありませんでした」と陳謝した。
 また、報道機関からの質問に対し、「今回の後援会のスタッフを頼んだのは私ではなく、後援会をやっていた人。辞める気持ちは一切ありません。続けていきたい。あれだけの市民の皆さんからの負託を受け、私が市政について訴えてきたことをきちんとすることが負託に応えることだと思っている。私自身は違法行為はしていない。関与していない」と述べた。
nakamatsu2.JPG この後、13:30からは、「市長就任記者会見」を行った。
 中心市街地活性化について、「具体的には稲一開発ビルの跡利用ですが、この施設については、競売手続きが開始される一方で、小樽開発株式会社の破産管財人が施設の売却に向け努力されているところではありますが、解決に時間がかかっております。本市の中心市街地の活性化を図る上でたいへん重要な施設でありますので、プロジェクトチームを設置した商工会議所とも密接に連携を図りながら、施設の再生等に向けて取り組んでまいりたいと考えております」と述べた。
 財政運営について、「山田前市長の12年間は、一般会計の累積赤字が最大で14億円に達するなど、たいへん厳しい財政運営を強いられたと認識しております。そうした中で、行財政改革が進められ、計画に比べて2年前倒しで、累積赤字解消のめどが立ったところであります。しかしながら、地域経済の低迷を受けて 市税収入は減少傾向にあり、また、他会計や基金からの借入れもあることから、引き続き厳しい財政状況であることには変わりはありません。
 また、今後、新病院の建設のほか、学校再編や学校給食共同調理場の建設、さらには市営住宅の建替えなど、大規模な建設事業が控えており、事業の平準化なども念頭におきながら進めていく必要があると考えております。いずれにしても、真の財政健全化に向けて、さらに収支の改善に努めていかなければならないものと考えております」とした。
 病院問題について、「選挙戦でも争点となりました市立病院の統合・新築については、実施設計の契約が完了し、起債手続きも正式進められていると聞いており、早期に病院が開院できるよう着実に事業を進めてまいります」と述べた。
 さらに、「私は、銀行に長く勤務し、企業経営にも関わってきた経歴がありますので、民間での経験や、そこで培われた感覚を生かしながら、さらに効率的な行財政運営を進め、市民サービスの質を高めてまいりたい」と結んだ。
 この後、丸井跡利用、病院、観光、財政問題、初登庁について質疑が行われた。
 ◎丸井跡の問題について
 「あそこには大変多くの権利者がおり、施設の改修、共益費などどれくらいになるか分からない。市が、どういった形で関わっていくのか課題を検討したい。とりあえず法的整理が進められているので見守っていきたい。小樽商工会議所のプロジェクトチームと協力していきたい。このままではいけない」
 ◎病院問題で起債の見通しは。総務省のガイドラインを作った長隆さんが、総務省は起債を認めないと明言しているが
 「起債の問題に対し、クリアしなければ課題があり、ひとつひとつクリアしていく。きちんとした形で起債をクリアするように取り組んでいきたい。長さんがどういう風におっしゃっているか情報を持っていないので分からない。長さんがではなく、私が、病院に起債が出来るように取り組んでいきたい。起債が出来ないという風にならないように取り組んでいきたい」
 ◎東北震災の影響による観光問題について
 「色々なことを考えているが、資材が入ってこない、ものづくりが出来ないとか、水産加工、仙台の笹かまぼこをこちらでつくるための施設づくりとか、トータル的な経済対策をしたい。今日指示したのは、5月中旬に台湾を訪問することが出来ないか調整すること」
 ◎財政問題について、他会計や基金からの借入れあるが財政再建のめどは
 「一年でも一日でも早く再建したい。基金からの借入れが増えているので、なんとしても解消していくようにしたい。解消のめどが何年だ何日だとは言えないが、早急に取り組みたい。再建しなければ市民の皆様のために事業が出来ないので、何としてもやっていきたい」
 ◎初当選した人がなぜこそこそ裏から入ってきたのか
 「急いでいただけの話です。私は稲穂4丁目ですので、信号をくぐって龍宮さんのところ曲がって、富岡に入って、そして保健所の前をまっすぐ上がってきただけ。信号を極めて少なくしただけのこと。わたしは常に役所に来るときにそうしているので、おかしくはない」とした。