副市長人事見送りで市長が陳謝 市議会第2回定例会


 小樽市議会第2回定例会最終日の本会議が、15日(金)13:00から開かれた。
 中松義治市長は、議場で、副市長人事が見送りとなったことに対し、「行政運営に大き な支障が来たすことないよう職員一同取り組んで参ります」と陳謝した。
 中松市長は、本定例会開会当初、不在となっている副市長人事の選任議案を提出することにしていた。しかし、市の 政治資金規正法違反事件や借金財政の先行きが不透明なことなどを理由に、派遣要請を行っていた道庁から色よい返事がもらえず、予定していた追加議案の提出を断念した。
 このため、市長は、本会議で、追加提案した職員懲戒審査委員会委員の任命と人権擁護委員候補者の推薦に関する2人事案件の提案説明冒頭、「副市長 の人選には時間を要することから見送りさせて頂く。行政運営に大きな支障が来たすことないよう職員一同取り組んで参ります」と述べ、職員懲戒審査委員会委員の菊池洋一氏から辞職の届け出があり、後任に大矢繁夫氏を、人権擁護委員候補者の推薦では、9月30日に任期満了となる永谷光明、一柳富佐子の両氏を引き続いて推薦した。
 第2回定例市議会は、市長提案の一般会計補正予算や不動産取得についての議案・人事案12件と報告1件を全会一致または賛成多数で可決・承認した。また、地 方財政の充実・強化を求める意見書やTPP交渉への参加を行わないよう求める意見書、原発に依存しないエネルギー政策への転換を求める意見書など 15件を可決して、18日間の幕を閉じた。
 中松新市長とっては、最初の定例会だったが、市長は予定していた副市長人事を決められず、議場では、原稿の読み違いもいくつもあるなど、あたふたする場面もあり、陳謝の連続で、今後のリーダーシップの在り方に不安を抱かせるものとなった。
 今後は、パー券の政治資金規正法事件の収拾をどう決着させ、市民が納得しうる処分をどこまでできるかで、地に落ちてしまった中松市政が、改めて市民の信託に応えられるかが問われることになる。罰金刑と公民権停止の刑事処分を受けた現職部長たちを、どう扱っていくかで、今後の姿勢が厳しく問われることになる。この意味からも、外部の第3者調査委員会の結論が注目されている。