PTAからも市と市議会に厳しい意見 市議会調査特別委


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 小樽市議会「政治資金規正法違反問題に関する調査特別委員会」(前田清貴委員長)による「政治資金規正法違反問題に関して市民から意見を聞く会」が、8月22日(月)18:30から市消防庁舎6階講堂で開かれた。
 「本事件に関し、今後議会に望むこと」をテーマに、参加した27小中学校PTA会長から意見を聞く会で、前回7月20日に開かれた町会長対象の意見を聞く会に次ぐもの。一般傍聴人は16名。
 中松市長後援会が起こした市役所内での政治資金集めのパーティー券販売による市役所ぐるみの政治資金規正法違反事件に対しては、町会と同じくPTA会長からも、市や市議会に次々と厳しい意見が述べられた。
 また、「市民から意見を聞く会」と題していても、前回の町会長に次ぐPTA会長からの意見聴取で、一般傍聴人からの意見陳述を認めない、上から目線の会となっている。このため、会の運営方法についても会場から不満の声が相次ぎ、結局、グループでの話し合いのために、休憩時間を設けざるを得なくなるなど、異例の展開が見られた。 
 PTA会長から寄せられた意見の概要は以下の通り。
 「市民から意見を聞く会は、PTAだけでは足りない。夏休み中に案内を頂き、保護者とPTAとが話し合う時間がなかったので、個人の意見になる。もっと市民から意見を聞きたいのであれば、PTAを集めるのではなく、市民の方へ出てきてもらいたかった。本当に市民の意見を聞きたいのかなと思う。事件があると誰かを悪者にして処分をしてきたが、事件に対して、悪いことは悪いので責任があるが、これを許してきたのは議会であって、それを許してきたのは有権者だということ。議会には違う形で、新しい形で小樽をつくってもらいたい。夢と誇りを持てるふるさとではない。子供には見せられない。自分の住んでいる小樽を愛して欲しいと思ってPTA活動をしているが、その辺のことをもう少し考えて180度違う考えで進めて欲しい」(色内小PTA)
 「色内小のPTAの方と同じで、個人的な意見となるが、違反することを知らないでいた職員に責任はあるが、委員長の挨拶を聞いてても、チェック出来ない議会に責任がある。もし次に起こった時には、どれだけ大変になるか承知しているはず。しっかり、再発防止をして、少しでも安心して過ごせるようにしてもらいたい。学校再編も進んでいるので、無駄に長引かせたり、不安が残ることはやめて欲しい。学力向上にもしっかり取り組んでもらいたい」(緑小PTA)
 「保護者と話し合う時間がない。今回の処分は、民間に勤めている感覚と比べると、とてもゆるい内容。公務員として一番重いと聞いたが、これ以上の処分は出来ないのか。子供は大人の背中を見ている。子供がニュースを見ると、どうしたのと聞いてくる。私も知っている範囲で説明する。小樽に残って働きたいとは思えなくなってしまう。議会と小樽市のしがらみが問題になった。市民の中で大きく問題視する人もいない。なあなあで済ませては良くないと思う。ここには、中松さんのパーティーに出席した議員もいるが、なぜこの時期に意見を聞く会を開くことにしたのか。もっと早い段階で出来たはず。質問の答えを聞かせてくれないという会なので、これで意見は終わらせてもらう」(北山中PTA)
 「夏休み中に招集を頂き、限られた保護者で聞き取りなどを行い、意見を集めた。もっと子供の話に重きを置いてもらいたい。小樽市民であることが恥ずかしい。お盆で移動すると、小樽は大変ねと声をかけられて恥ずかしい。全て茶番。お偉いさんが来て騙しているようにしか見えない。風化するのを待っているようにしか感じられない。裁く側も裁かれる側も同じ穴のムジナ。小樽を変える人は、小樽にしがらみのない人。子供には、学校のルールや社会のマナーを守るようにと教えておいて、このようなことがあっては示しがつかない。残念な話しである」(若竹小PTA)
 「市議会の居眠りの様子がYouTubeでアップされ全国に放送されたが、今回の件も悪い意味で有名になった。非常に残念。中松市長は、市議会のほとんどの会派からの支持で当選した。それで議論なんか出来るのか。市民の皆が納得出来るよう努力をして頂きたい」(末広中PTA)
shiminnokoe2.jpg さらに、会の時間が予定より余ったことから、参加したPTA会長らは、「予定の時間が余っているなら、PTA同士意見を出し合う時間を与えたらどうか。この場で意見を言うことは緊張しているので、ちょっと話し合いをして発表出来る場があってはどうか」、「市民の意見を聞くと言って集めたのに、なんで後から回答するということになるのか。マイクを使って発言出来ない人もいるかも知れない。聞くだけなら書面でも良い。書いてあることを言うのは前田議員でも出来る」など、参加者同士で意見交換する場を求めた。
 最初は敬遠していた前田委員長だったが、会場からの厳しい声が増えてきたことを受け、20分程度の意見交換の場を設けることになった。
 この後、会場から 「パー券を買って欲しいと言われて断れない体質に問題がある。教育委員会で15枚も券が捌かれたことに複雑な思いがある。まず、中松市長が出てきて謝罪するべき。叩けばホコリが出てくる。議会は、意見を聞きたいと言っているが、これは建て前だ。市長は辞めるべき。選挙をもう一度。クリーンな選挙を」、「この会で出た意見に答えてもらえない状況で、一方通行が前提なら、書面で提出する。わざわざここに来なくても済む」、「済んだことを振り返ることも大事だが、これから小樽市が何をすべきか前を見る必要がある」、「問題の根本は相乗り。組織として地位利用するモラルの欠如が問題。当然、議会の監視機能が目を光らせるしかない。メールやネットで全職員、幹部職員に特に注意する」などの意見が出された。
 これらの意見に対し、自民党の鈴木喜明議員は、「チェックが足りなかった。次に同じことが起きないように万全を尽くす覚悟」
 共産党の北野義紀議員は、「皆さんの意見を聞けたことは嬉しい。二度と起きないようにやるとの思いで議会が力を合わせて取り組んでいきたい」
 公明党の千葉美幸議員は、「市のもたれあい、組織にいると見えないことがある。意識改革をどのようにするか考え議論していきたい」
 民主市民連合の林下孤芳議員は、「小樽市議会はやるべき課題があるので、見事に再生を果たしたといわれるよう全力を尽くして参りたい」
 一新小樽の成田祐樹議員は、「まずこの会は茶番ではないか。処分が出てからでは変えようがない。この時期にやっていることが茶番。会を開くに当たって、与党会派以外は、市民から意見を聞くべきと主張したが、与党は、それでは開かないというようなスタンスだった。それでやむを得ず、見識のあるPTAの皆さんと聞く会を開くことになった。そんな会のあり方自体問題。議会がチェックしていなかった。市民の代わりにおかしいとチェックするのが議会。町会の代わりでも、団体の代わりでもない」と述べた。
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