講演会「原発と地球環境」開催 高い原発への関心

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  原発を知る講演会「原発と地球環境」が、9月3日(土)13:30より、生涯学習プラザ第3号室で開かれた。小樽子どもの環境を考える親の会・生活クラブ生協小樽支部・原発いらない小樽市民の輪の主催。
 講師は小野有五・北海道大学名誉教授(泊原発の廃炉をめざす会共同代表、東日本大震災・被災者支援市民ネットワーク・札幌「むすびば」共同代表)。
 「福島の原発事故が明らかにしてくれたことの意味を学び、泊原発をはじめ、日本にあるすべての原発を廃炉にするための運動を始めなければならない。福島原発事故が教えてくれたことは、1.地震も津波も「想定外」ではなかった。2,どんな技術的対策も圧倒的な自然の前には無力であった。3.政府・東電の言ってきたことは、大部分が「ウソ」であった。4.原発事故による放射能汚染は、どんな自然災害より致命的な影響を与えるものであった。
 そこで、泊原発に福島原発のような事故が起きた場合、小樽市も福島市と同じ状況になる。高い放射能汚染は、余市町・仁木町・倶知安町・ニセコ町・小樽市・札幌市に及び、偏西風が吹いているため道東へも影響し、北海道の農業、酪農は致命的な打撃を受ける。また、観光が崩壊し、日本海の汚染によって漁業も壊滅する。
 三陸では、以前がら津波に襲われており、1933年3月3日には昭和三陸地震が起こり、沢山の人が亡くなった。1869年7月9日には、貞観地震が起こり超巨大津波が到達し、400年〜500年に一度起こることが分ってきた。津波の波高と遡上の高さには違いがあり、10mの津波と発表したが、到達した津波の高さ(遡上高)が38mに達することがある。津波は高さの問題ではなく、どこまで押し寄せるかである。
 日本には4つのプレート(ユーラシア・大西洋・フィリピン・北米)があり、ぶつかり合っている。プレートとプレートの境で巨大地震が起こる。その3つのプレートの境界にある浜岡原発は、世界でもっとも危険な原発と言える。
 積丹半島は、大地震によって地盤が繰り返し隆起してきた事を示すベンチや海岸段丘が見られ、泊原発のわず15km西には、長さ70km近い活断層が確実に推定され、M7.5以上の大地震が起こる可能性が予測される。
 予防原則として、危険が分かっている以上停止し、安全を証明すべきである。『原発は安全・原発は安い・原発は不可欠・原発は二酸化炭素を出さない』と宣伝してきたが、福島原発の事故はすべてが間違いであることを教えてくれた」と熱く語った。
 次に、「泊原発の廃炉をめざす会」を7月7日に立ち上げた市川守弘弁護士。
 「東日本大震災を原因とする福島第一原発の事故の悲惨さを目の当たりにして、泊原発もきわめて危険な状態なので、完全廃炉を求める。大間原発の建設中止、原発のない社会を目指すことを全道民に呼びかける。みんなが分る裁判をしたい。8割の人は不安をもっている。原発はいらないと確信に変えるために裁判を通して、政策を変えていく」と話した。genpatsu2.jpg
 その後、質疑応答があり、今回の講演を主催している団体(小樽子どもの環境を考える会・生活クラブ生協小樽支部・原発いらない小樽市民の輪など)がそれぞれ活動を報告した。
 原発への関心の高さから、会場は満席状態で、約60名が集まった。
 生活クラブ生協の渡邉恵美子さんは、「原発に関心がある。この講演会は分りやすく他の人にも資料を見せて伝えられる。泊原発の廃炉をめざす会に入会した。普段から原発について考えたい。世論が大きくなることを望む」と話していた。