「夢千代日記」小樽公演 マリンホール9/6


yumechiyo.jpg 前進座創立80周年記念「夢千代日記」小樽公演が、9月6日(火)14:00と18:30の2回、市民センターマリンホールで行われた。原作・早坂暁、台本・志村智雄、演出・志村智雄、橋本英治。
 前進座は1931年5月22日に創立。当時の下積みの役者が、歌舞伎界の因習的な制度に反発して結成された劇団。歌舞伎・時代劇・現代劇・児童劇と多彩なレパートリー。三味線・太鼓も役者が生演奏している。
 新国立劇場で8月31日に公演し、北海道では、函館、札幌、小樽、岩見沢、旭川と続く。
 前進座制作部長の及川昭義氏は、「小樽では、1992年『怒る富士』、1994年『母』、2001年『赤ひげ』、2003年『銃口』、2010年『法然と親鸞』と縁を重ねてきた。
 小樽での『夢千代日記』は、『母』・『銃口』に巡りあい、作者の三浦綾子さんの気持ちを引き受けて、戦争と平和を考え、被爆65年という事もあり、この作品が相応しいと思い決めた。昨年、東京で幕を開け、大変評判だった。3月11日の東日本大震災や福島での原発事故、予想していたわけではないが、演じる側にもいつもと違ったものがある。
 夢千代は胎内被爆者という役、今起きている大きな問題(原発による影響)と、人類が共存できるものなのだろうかと考える。『夢千代日記』は、テレビでヒットしたものだが、それにあやかったのではなく、余命少なくても生きている限り、目をそむけないで立ち向かって行こうとする力を強調したい。
 観に来てくれた人の中で被爆者は少ないと思うが、今、病を抱えている人や、悩みを抱えている人が、生きようとする励みをもらったと、感想が多く寄せられている」と、話していた。
 9月15日から17日は、中京大学文化市民会館を予定している。