海の安全教室 潜水士模擬訓練



 「海の安全教室」として、第一管区海上保安部は、海中転落者の救助、海底に沈んだ車の捜索や潜水訓練を、11月23日(水)11:45から、おたる水族館海獣公園(祝津3)で行った。
 祝日ということもあり、大勢の人がこの訓練を見守った。小樽海上保安部巡視船「ほろべつ」勤務の潜水士4名が実演した。
 はじめに、海中転落救助訓練。海中に2名が転落したとの想定で行われ、1人は救命胴衣を着けずに(着けているのは人形)、海水に胸まで沈み「助けて下さい」と叫んだ。訓練とは思えない白熱した演技に、会場は緊張に包まれた。沈んでしまった人の救助訓練が始まり、転落した2名を無事に救助し保護した。これからは、岸壁などが滑りやすくなるため、釣りをする人は、必ず救命胴衣を着けるよう指導していた。
 次は、車が海底に沈んでいるとの想定。車のおもちゃを海へ投げ、その車を捜索する。「このような状況に遭遇した時はどうしますか?」と問いかけ、海上保安庁118番に連絡をするよう呼びかけた。水中は、水深1.5m〜2m、視界30cm、水温11℃の中、潜水士の懸命な捜索の末、車を発見する。人命救助を第一と考え、その後車輌の確認をすると説明。
 潜水訓練では、10kgの錘(おもり)を腹に乗せて泳いだり、手に3kgずつの錘を持ち、立ち泳ぎをする。これはバタ足の強化にも繋がる。船に乗り移る手段として、ロープを渡り移動する訓練も行われた。潜水士は「視界が30cmと悪かったが、水温は、そんなに寒く感じなかった」と応えた。

 第一管区海上保安本部警備救難部救難課救難業務係長・佐藤大輔さんは、「寒い時期だけど、沢山の人が見に来てくれて良かった。プールを使っての安全教室は行っているが、このように海を使ったのは初めての事。日頃の訓練を見せる事ができて良かった」と話した。
 月形町から来た潜水士を目指す高校3年生とその家族は、「海上保安のホームページを見て今日の催しを知り、2時間かけて会場へ来た。人命救助の仕事がしたくて潜水士を選んだ。訓練の様子を見る事ができ、その後、潜水士と直接話ができてとても良かった」と満足していた。