過疎債なければ事業債で 新病院問題を特別委で質疑


 小樽市議会の市立病院調査特別委員会〈山田雅敏委員長〉が、11月29日〈火〉13:00から市役所別館第2委員会室で開かれた。
 市病院局は、新病院建設の考え方について報告。これを受けて、各会派の委員は、病院の上半期実績や下半期の見通し、改革プラン、医師看護師の退職、新市立病院敷地横のJR用地などについて質問した。
 中島麗子委員〈共産〉は、人員確保の件を含めた下半期の見通しについて質問。病院局は、「看護師は12月で2名退職する。2月にも若干出るが大きな増減はない。不確定要素はあるが、上半期より下半期の方が増加するので、通年で単年度黒字は確保出来る」と答弁。
 上野智真委員〈自民〉は、廃院後の医療センター跡地について質問。総務部企画政策室は、「学校を含め跡地利用を管理しているが、最終的な使い道は新病院開院までに検討する。副市長をトップに検討委員会があり、今後拡充して、財政状況を見て考えていきたい」と答弁。
 高橋克幸委員〈公明〉は、建設単価について質問。病院局は、「国立病院機構が示す平米25~30万円と総務省のガイドライン30万円が目標になった。地域的な原因で、地盤が固く杭に金がかかり、地下を作らないといけないので2倍くらい費用がかかるとし、33万円の想定で進めてきた。基本設計を終えて29万円と30 万円をちょっと切った。実施設計で各建築資材の見積もりをとって比較し、建物の質を下げないでコストを下げる考えでやり、今回29万5,000円となった。積算が完了すると金額はまた減り、落札価格も減るので、もう少し単価は下がると思う」と答弁。
 斎藤博行委員〈民主市民〉は、夜間急病センターの運営方法について質問。中松義治市長は、「保健所から報告を聞いてて、済生会の医師の派遣が多いなと思っていた、済生会からは私の方へ話は来ていなかった。医師会なりにさらに努力してもらいたいが、市民の健康、命、安心、安全を守ることが第一なので、私を含め、医師会、市立病院、保健所でコミュニケーションを深め、何が市民にとって良いか協議したい。運営をしている状況も定期的に必要だと思う」と答弁。
 成田祐樹委員(一新小樽)は、過疎債について質問。病院局は、「震災との関係で影響はない。ただ、過疎債は全国的な枠があるので、過去の発行額を見ると全国的に満たなかったが、今年度は要望が多かったと聞く。したがって国が本年度の対応をどうするかがまだ分からないので、来年度がどうかということは明確に答えられない。過疎債が活用出来ない場合、事業先送りもあるが、継続性が必要な病院建設については、起債(事業債)を充当する考えになる」と答弁。