第62回大人のための読み聞かせ「名作の時間」が、12月17日(土)14:00から、市立小樽文学館(色内1)で開かれた。寒い中、集まった21名が朗読に聞き入った。
初めは、吉田京子さんの朗読で、木山捷平「尋三の春」。次は、厚谷恵さんの朗読で、 池澤夏樹「梯子の森と滑空する兄」の朗読が行われた。第1回目は、2006年7月8日(土)に、松浪啓子さん朗読で水口忠「消防犬ぶん公」と大塚綾子さんの朗読で岡本綺堂「怪談」だった。
当初は、毎月一度開かれていたが、1・2月は、天候不順や雪あかりの路のイベントのため休み、3月から12月まで毎月開かれている。
朗読する人は、小樽朗読友の会の会員で、10名くらいが2人ずつのローテーションで担当している。今回のように朗読だけの事が多いが、時には、アンティークオルガンと朗読の夕べと題して、オルガンの音をBGMに読み聞かせが行われた事もある。
塩谷在住の藤間さんは、「今回で2回目。おたる広報で知り聞きに来ている。上手に朗読していると思う。今日も分りやすくとても良かった」と満足していた。
今回朗読した厚谷恵さんは、「小樽朗読友の会に入って40年目。もう1人の人と本の内容が重ならないように、読む物を選んでいる。30分くらいで朗読できる内容の物を選ぶ事に苦労している。本が決まったら、コピーして読みやすいように台本を作り練習する。読み終わって聞いていた人が暗くならないよう、気分的にも楽しんでくれる内容の本を読むように心がけている。聞いて分るように、場面が想像できるようにと、朗読している。本が好き。好きでなければできないと思う。常に本に対してのアンテナを張り巡らしている」と話した。
玉川副館長は、「まだ知られていない部分も多いが、一度参加すると、毎回リピートしてくれる市民が多い。読まれる作品もバラエティーに富んでいて、古典からベストセラー、志賀直哉、川端康成、若い作家の本も読まれ、幅が広い。音楽演奏会を交えての読み聞かせも行っている」と話す。
参加者は、気ぜわしい師走のひとときを、静かな文学館でゆったりと時間を過ごし、今年の最後を締めくくった。