8年集めたリングプルで車椅子 グループホームへ寄贈

kurumaisu.jpg 小樽市立色内小学校(稲穂5・安井能彦校長)児童会では、8年前から、車椅子を寄贈するためにリングプルを集めてきた。しかし、車椅子への道のりは遠かったが、次々に卒業していった先輩の意志が引き継がれ、後輩たちが地道にリングプルを集め、このたびようやく目標の660kgに達した。
 今年は、色内小学校130周年という事もあり「体の不自由な人へ贈りたい」との一人の少女の言葉から「グループホーム船見坂みのり(富岡2)」へ車椅子が寄贈される事となった。12月27日(火)10:00より、同ホーム2階で贈答式が行われた。
 医療法人社団松島内科「グループホーム船見坂みのり」は、認知症対応型共同生活介護ホーム。認知症のために自宅での生活が困難になった高齢者が、少人数を単位とした共同生活の形態で、自宅と変わらない雰囲気の中で生活を送ることにより、認知症状の進行を穏やかにし、家庭外語の負担軽減を図る事を目的としている。昨年3月に開設し、現在18名が利用している。
 贈呈式には、色内小学校長、児童会担当教諭、PTA会長と児童会運営委員会の6年生の中川亜弥・大岩みやび・5年生の伝法史佳・4年生の長谷川悠斗君らが参加。箱に入った自動式軽量アルミタイプの車椅子1台が、「グループホーム船見坂みのり」管理者・田中文博さんと利用者に手渡された。
 いつも車椅子を利用している後藤さんが実際に車椅子に乗り、「大変感謝しています。ありがとうございました」と礼を述べた。
 児童会運営委員長の中川亜弥さんは、「8年前からリングプルを集めていた。代々引き継がれ、目標を果たし、先輩の願いを叶えるために、公約を果たすために、車椅子を贈ります。少しでも気持ち良く生活して下さい」と挨拶。
 児童会担当・秋元教諭は、「実際に車椅子を使ってもらえる所を福祉センターから紹介してもらった。色内小学校から見える向い山に『グループホーム船見坂みのり』があり、色内小学校を卒業した子ども達が通う西陵中学校の校区内にある。こちらで使ってもらえて良かった。これからは、缶からペットボトルに変わり、リングプルが減少し、ボトルキャップに変わってきている。色内小学校では、リングプルを集める事を中止し、残ったリングプルは、西陵中学校へ引き継いでもらった」と話した。
 管理者の田中さんは、「車椅子の寄贈は、初めての事。車椅子は、常に使うのものなので助かる。高齢者なので、転倒して歩けなくなる事もあるので、車椅子は必要。8年間もリングプルを集め続けた事に敬意を払う。地域の子ども達とは、小樽祭の時、子供神輿が玄関前へ来た事がある。お年寄りは子供が好きなので、色内小学校とも交流の機会があれば作りたい」と話していた。